「掘削コア科学による地球環境システム変動研究拠点」
(平成22年度〜平成27年度)
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●2010/4/21: |
キックオフシンポジウムを開催します。
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●2010/1/21: |
研究員 (非常勤職員, 1名) を募集しています。
(〆切:2/26)
<募集終了>
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本研究拠点は,学部横断型研究プロジェクト「地球掘削コアを用いた地球環境・地球ダイナミクス・地下圏微生物の総合的研究(コア研究プロジェクト)」の成果を基礎とし,より社会的ニーズが高く,かつ,地域への貢献が期待される研究課題である地球環境システム変動(地球環境変動,地震発生帯,海底資源)に焦点を絞った高知大学オリジナルの研究・教育拠点を構築するものである.
■掘削コア科学およびフィールド調査に基づく地球環境システム変動研究拠点の構築
地球環境システムは,大気圏・水圏・地圏・雪氷圏・生命圏などのシステムから構成され,46億年の地球史の中で太陽放射エネルギーの支配下で複雑に進化・変動してきた.各圏を構成する多様なサブシステムとそれらの相互作用によって引き起こされる地球環境変動や物質循環はより複雑となる.
本拠点では,これらの複雑な事象のうち,高知大学のもつ卓越した研究ファシリティ(海洋コア総合研究センター)と多様な人材を最大限に活用して取り組むことができる3つのカテゴリーに焦点を絞り,地球環境システム変動の実態解明を目指す.そのために,「掘削コア科学」という新たな視点と,その科学の実施を通して得られる人類未到の地質試料を生かした地球環境変動の復元解析や地震発生帯における物質循環・変形・流体挙動の解明,新たに開発された海底探査手法による海底資源探査等による資源量の把握とその生成メカニズム解明など,過去から現在における地球環境システム変動の実態とそれらの未来像を明らかにするためのオリジナリティ高い研究拠点を構築する.
■国際的な研究ファシリティを生かした掘削コア科学・海底資源科学の研究教育拠点の構築
本研究拠点の核となる海洋コア総合研究センターは,掘削コア試料の冷蔵・冷凍保管を始めとし,コア試料の非破壊基礎解析から高精度応用研究までを一貫して行うことが可能な卓越した研究機能を備えている.高知大学はIODPの世界3大コアレポジトリー(テキサスA&M大学、ブレーメン大学、高知大学)の一つとしての国際的な役割を持ち,また,全国共同利用システムを活用した掘削コア科学・地球惑星科学における国内研究拠点でもある.これらの研究基盤に加えて,異なるキャンパスに分散する学内の人的資源を効果的に融合することによって,国内・国際的にも優位性・独自性をもつ掘削コア科学・海底資源科学に関する研究拠点の構築が可能となる.本研究拠点の形成およびそこから生み出される地球環境システム変動に関する知見・成果は,世界の関連分野をリードしていくものであろう.また,高知大学が持つ国際研究拠点としての優位性は,研究のみならず大学院教育にも波及効果をもたらすと期待される.本拠点の卓越した研究ファシリティを利用した先端的研究と大学院教育を結びつけることにより,研究実践力,問題解決力,世界レベルの研究を視野にイニシアティブを発揮できる国際性を有する若手研究者を育成する場を機能的に構築することができる. |
拠点構築に当たっては,統合国際深海掘削計画(IODP)のコア保管解析機能を有する海洋コア総合研究センターの世界的研究基盤を生かすとともに,自然科学系理学部門および人文社会科学系教育学部門に在籍する地球科学系教員を結集することによって新たな拠点プロジェクトチームを編成する.上記目的を達成するために,本研究拠点に,拠点リーダーの下,次の3つの研究グループを組織する.各グループは相互に有機的に連携しながら,専門性を生かしたそれぞれの研究課題に取り組む.
(1) 地球環境変動研究グループ(池原*,岩井,山本,田中)(*グループリーダー)
●高緯度寒冷圏(ベーリング海,南極海)における新生代の地球環境システム変動の実態解明
●海洋コア・陸上掘削コアを用いた黒潮システム変動とアジアモンスーンの相互作用
●新生代における地球磁場強度の長期変動の実態解明
(2) 地震発生帯物質循環研究グループ(村山*,近藤,橋本)
●南海トラフ地震発生帯における物性・変形構造・流体挙動の解明
●放射性同位体等をトレーサーとした物質循環の解明
●冷湧水周辺に分布する生物群集の実態解明
(3) 海底資源研究グループ(岡村*,臼井,小玉,赤松)
●海底資源探査と資源生成メカニズムの解明
●熱水噴出孔探査と資源量調査,海底資源の磁気特性の解明
●ガスハイドレートを含んだ系の分子レベルでの挙動解明
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