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Case.12
知りたいことを究めてゆくなら

飯田 祥子
Sachiko Iida
所属
教育学部社会科教育コース(歴史学東洋史)
略歴
名古屋大学卒業、名古屋大学大学院文学研究科修了。博士(歴史学)。
龍谷大学文学部特任講師、古代学協会客員研究員・京都大学人文科学研究所非常勤研究員を経て、2025年4月より高知大学教育学部准教授。
  • 01
    研究者に進んだきっかけ

    2000年ほど前の中国の歴史を研究し、社会科教員養成コースで外国史を担当しています。単純に歴史が好きで大学院に進学しましたが、研究を職業とするには時間がかかりました。偶然、魅力的な課題に出会ったため、生活が不安定でも研究を手放せず、続けてきた結果として、今、教育・研究を職としています。次の世代の歴史好きを育ててくれるであろう、教員を目指す学生への教育に従事できているのは、僥倖、運がよかったのでしょう。
  • 02
    研究の魅力について

    歴史学とは、過去の人々の活動を、その人たちの痕跡から知る学問です。私の場合、遠い昔の外国を対象としているので、環境も母語も価値観も異なる、何も共有しない人が書いた文章を読みますが、どんな現代人もまだ知らない事がらを明らかにできれば、単純にうれしいものです。意味の解らない文章の、たった一行、一語、一文字でも読解できた喜びは、何物にも替えられません。
  • 03
    現在の研究および生活

    木ふだ(木簡)に書かれた役所の書類を読んでいます。外国人である私が中国の貴重な文化財に直接アクセスすることは難しいので、出版された写真資料集をみて読解します。書かれている内容は何なのか、どんな文脈で使用するフォーマットなのか、内容と木簡の形は関係があるのか、作成された時期によりどんな違いがあるのか、中央の政策とどう反映するのかなど考察しています。一人で読むこともありますが、研究仲間と関心をぶつけ合う研究会も多くあります。以前は東京や京都にいなければ研究会に参加しにくかったですが、近年はオンラインミーティングが普及し、高知からも国内外の研究仲間と活発な議論を交わすことができるようになりました。
  • 04
    今取り組んでいる研究

    中国はなぜ大きいのか、なぜ多くの人が中国という「まとまり」をつくってきたのかという疑問が出発点です。現在、研究対象とする後2世紀は、日本の弥生時代、中国には後漢という王朝がありました。前3世紀に秦の始皇帝が巨大な国家を成立させ、前漢が継承し、後漢を経て、後3世紀に分裂し三国時代となるので、後2世紀は巨大国家が壊れかけるころのようです。この時期の人々は国をどう思い、どうかかわったのか?答えが見つかるかわかりませんが、彼らが書いたものから手がかりを得たいと思っています。
  • 05
    研究に携わる仕事を目指す
    若い方へメッセージ

    外国史研究を職業にするのは非常に困難です。研究が充実していても、「仕事」=職業とすることが可能か否かは別の問題です。人にすすめることはできませんし、私自身だれからもすすめられませんでした。それがわかっていても研究を手放すことができないのであれば、「人事を尽くして天命を待つ」といいます。自分にできることはやった上で、あせらず運命が味方してくれるよう願うことしかできません。
  • 06
    日常で大切にしている時間

    急須でお茶を淹れる時間でしょうか。私の高知大学着任を祝い、大学時代の友人たちが、青磁の茶器セットを贈ってくれました。お湯を沸かし、きちんと時間を計って、湯飲みに注ぎ切る。正直なところ、いい加減に淹れようと、水道水を飲もうと、あまり味に頓着できない気質ですが、気持ちのこもった道具を使い、手間をかけることで、落ち着いて物事に向き合えるような気がします。
Time Schedule

1日の過ごし方

  • 7:00
    起床
  • 9:00
    出勤
  • 10:00
    研究会(オンライン)
  • 12:00
    昼食
  • 13:00
    授業
  • 15:00
    史料読解、研究会準備等
  • 19:00
    帰宅
  • 20:00
    夕食・家事
  • 00:00
    就寝