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Case.2
博士号は知の体力の証。活躍の場は広がっています。
高橋 迪子
Michiko Takahashi

- 所属
- 高知大学 医学部 特任助教(執筆当時)
- 略歴
- 東京海洋大学大学院にて博士号取得。
日本学術振興会特別研究員(DC2)を経て、2019年4月に高知大学自然科学系理工学部門にて特別研究員(PD)に着任。
2022年4月から現職。

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01研究者に進んだきっかけ私が研究者を目指すようになったのは、修士1年生の頃です。もともとはメーカーの研究職志望でしたが、学部4年次の春休みに自分で思いついた実験を試してみたところ、面白いデータが得られました。そこから一念発起して論文にまとめ、国際誌に掲載されました。論文の執筆にはとても苦労しましたが、自分の研究成果を世に残せることにとてつもない高揚感を覚え、研究者を志すようになりました。
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02研究の魅力についてその気になれば、誰もが一番になれることです。研究は先人たちの積み重ねの上に新しい知見を一つずつ積み重ねていく営みですが、数多くの研究分野の中でどのようなアプローチをするか、どのような材料を使うか、など様々な要素を組み合わせることで自分のオリジナリティを確立することができます。また、最近では異なる分野の研究者とチームを組むことが多く、自分の目標となるような人に出会うこともあります。こうした出会いを通じて自身の幅を広げられることもまた、研究の魅力だと感じています。
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03現在の研究および生活大学の研究者というと浮世離れしたイメージがあるかもしれませんが、実際にはコミュニケーション力、発信力、調整力など様々な能力が求められます。その中で私がとくに特に重要だと感じているのが「書く力」です。ちょっとした事務書類から予算申請書、論文に至るまで日々何かしら書いています。限られた時間内で書き上げるために、午前中の頭が冴えている時間帯を執筆時間に充てたり、一度書いた文章を寝かせて翌朝書き直すなど、良い文章を書くための工夫や努力は惜しまないようにしています。
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04今取り組んでいる研究環境にいる「良いウイルス」の研究をしています。ウイルスというと病気を起こす嫌なイメージが強いですが、実は海や川、土などあらゆる環境に無数のウイルスが棲息しています。しかし、彼らが生態系でどのような役割を果たしているのか、わかっていないことも多いです。私は環境中のウイルスの振る舞いや役割を明らかにし、そこから世の中の役立つことへ応用することを目指して研究しています。
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05研究に携わる仕事を目指す
若い方へメッセージ世間では研究者・博士に対するネガティブなイメージが囁かれることもあるようですが、私は幸い、そのように感じたことはほとんどありません。研究職には厳しさがある一方で、当事者ではない人たちが虚像を作っている一面もあるのではと思います。苦労をして手に入れた博士号は「知の体力」の証であり、専門分野にかかわらず活躍できる場が広がっています。 -
06日常で大切にしている時間研究生活では、ある日突然全速力で走り切らなければならない場面に遭遇することがあります。そのためには、心身の健康と基礎体力が欠かせません。私は数年前から体力維持のためにジョギングを始め、最近ではフルマラソンを完走できるようになりました。地方のマラソン大会は、ランニングと旅行の両方を楽しめるので気に入っています。ストレスを解消する方法をいくつか持っておくことは、メンタルを保つことにも効果的だと感じます。




1日の過ごし方
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7:00起床
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8:30出勤、メールチェック
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9:00論文執筆
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11:00実験準備
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12:00昼食
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13:00実験
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16:00打ち合わせなど
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18:00デスクワーク
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19:00帰宅
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20:00入浴
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21:00夕食
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22:00自由時間
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00:00就寝