地域のロールモデル
TOP > ロールモデル:Case7(安光ラヴェル 香保子)
Case.7
研究は世界への扉〜Eureka体験を追い続けて〜
安光ラヴェル 香保子
Kahoko Yasumitsu-Lovell
- 所属
- 高知大学総合研究センター特任助教・University Research Administrator
- 略歴
- 慶應義塾大学経済学部卒業。ソニー(株)を経て、Australian National Universityにて国際関係論の修士号を取得。結婚を機に渡米、Sony Electronics (San Diego)に勤務。二児出産後、配偶者の赴任によりスウェーデンへ。
2010年より高知大学医学部環境医学教室にてエコチル調査に従事。
2023年、University of Gothenburgより医学博士号。子どもの発達に関する研究を継続しつつ、2025年より高知大学リサーチ・アドミニストレーター(URA)。
-
01研究者に進んだきっかけ2010年、高知大学医学部において環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の高知での実施準備が始まった際、ご縁があり実務スタッフとして関わりました。目の前の業務に懸命に取り組む中で、子どもたちにアレルギーがあったこともあり、調査内容への関心が自然と深まっていきました。気がつけば研究の道に進み、また前任者の本国への帰国を機に医学部での英語教育にも携わるようになり、現在に至っています。
-
02研究の魅力について私の研究では、北海道から沖縄まで、全国10万人のエコチル調査参加者の方々のデータを分析するのですが、膨大なデータを分析する中で、疑問に思っているテーマについての因果関係や全体像が見えた時、大河の一滴にすぎないものの、科学や社会に少しだけ貢献できたような嬉しさがあります。研究を通じて世界中の熱意あふれる研究者に出会うことができ、中には生涯の友となる人がでてくることも魅力かと思います。
-
03現在の研究および生活発達障害や摂食障害に関する研究を続けながら、2025年4月よりURAとして他の研究者を支援する立場にもなりました。これまでは妊娠期や乳幼児期のリスク因子を中心に研究してきましたが、学内外の研究者との連携を通じ、より学際的な研究展開を目指しています。20年以上にわたる海外経験は大きな財産であり、若い世代には一度は海外に出て、日本以外の社会や価値観を体感してほしいとの思いから、英語教育にも継続して取り組んでいます。円安の影響もあるのか、留学したいと思う日本人学生が減っているようですが、短期でもいいので海外に行ってみたり、国内でも留学生と接する機会に積極的に参加して、“自分で思っている「普通」が世界の「普通」ではないこと”を体験してもらいたいです。
-
04今取り組んでいる研究発達障害について、赤ちゃんがおなかの中にいる時や生まれてから小さい頃に、どのようなことが影響するのかを調べています。多くの方のデータを用いて、遺伝や生活環境など、さまざまな要因がどのように関わっているのかを明らかにしようとしています。数の向こうにいる一人一人の参加者、そして世界でも貴重な調査を支える同僚たちに感謝しながら、研究に向き合っています。
-
05研究に携わる仕事を目指す
若い方へメッセージ何歳になっても、「研究したい」と思ったときが、その人にとっての最適なタイミングです。疑問に思ったことや興味を持ったことを大切にし、ぜひどんどん追求していってください。目の前の課題に真摯に向き合っていると、次の扉、そして世界への扉が少しずつ開いていきます。時には、どうしても開かないと感じる扉のすぐ横に、別の扉が開いていることもあります。 また、英語はLingua franca (国際共通語)、特に研究では必須です。ぜひマスターしてください。AIが進む今日でも、自分自身が英語を理解していなければ、スピードや情報量は格段に違いますし、訳文の良し悪しの判断、微妙なニュアンスの違いもわからず、海外の研究者と直接語り合う醍醐味を味わうことはできないと感じています。 -
06日常で大切にしている時間家族や友人と過ごす時間です。子どもたちはすでに成人していますが、今でも時々お弁当を差し入れするなど、楽しく親業を続けています。いつの間にか私よりできることも増え、その頼もしい姿に、若い世代がさらに活躍できる環境づくりについて考えるようになりました。子育てを多方面から支えてくれた両親への感謝と恩返しも大切にしています。また、留学や研究を通じて出会った世界各地の友人、子育てを通じて知り合った高知での友人との交流も、かけがえのない宝物です。
ヨーテボリ大学にて、博士課程最終審査を終えて

エコチル調査のデータを使った研究発表の様子

30年来の留学時代の友人を訪ねて台湾大学へ。設立当初の印について説明を受ける。

1日の過ごし方
-
6:30起床、家事など
-
8:00PodcastでBBC Global Newsを聴きながら出勤
-
9:00オンライン・ミーティング(海外在住大学院生の指導)
-
10:00研究申請書支援業務
-
12:00昼休みを利用しジムへ
-
13:00大学国際化に関する業務・URA業務など
-
18:00帰宅
-
19:00夕食と休憩など(友人への連絡など)
-
21:00研究のための分析
-
00:00入浴・就寝