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施設の目的


昭和 58 年度に高知医科大学動物実験施設として省令化された本施設は,高知大学との統合および改組を経て,現在の高知大学総合研究センター 生命・機能物質部門 動物資源開発分野(動物実験施設)に至っている。

生命科学分野の研究は,自然科学・医学・医療の発展,環境問題への対応,食料増産など,人類の福祉向上に深く関係している。これらの研究を推進する上で動物実験は必須なものであるが,一方で他動物の尊い命の犠牲の上に成り立っていることも事実である。

本施設は,これらの点を踏まえて,本学における実験動物の適切な飼育管理,最先端研究に必要なモデル動物等の開発,研究支援並びに科学的で倫理的な動物実験の実施とその必要性の啓蒙等に取り組み,本学における自然科学分野の研究・教育の発展に貢献することを目的としている。

施設の運営方針

 施設の運営は,総合研究センター運営戦会議,生命・機能物質部門管理運営委員会,利用者会議の議を経て実施している。

施設の概要

施設は鉄筋3階建 3,054 uであり, 空調機 11 台で各室の温・湿度を統御している。 飼育動物は以下の区域で施設職員と利用者の連係プレーの下に常に適切な飼育環境下で維持されている。さらに,これらの動物を用いた動物実験は,本学動物実験管理規則(平成 19 年 8 月 1 日制定)に基づいて,科学的観点はもとより動物の福祉・倫理面にも十分配慮しながら実施されている。

区域と飼育室環境

飼育器材等

特徴および飼育動物種等

SPF 動物飼育区域
(バリアー方式)

クリーンラック等の陽圧一方向気流および自動給水方式

飼育装置以外に室内給・排気系に HEPA フィルター設置の二重安全対策が採られている。
遺伝子組換えマウスを含む種々系統マウスの繁殖・維持と実験が行われている。

SPF 動物飼育区域
(オープン方式)

同上

遺伝子組換えマウス。種々系統マウス,ラット等の繁殖・維持と実験が行われている。

Conventional 動物
飼育区域
(オープン方式)

一部陰圧一方向気流および自動給水方式

ラット,マウス,ウサギ,モルモット,ハムスター,ハタネズミ,イヌの飼育と実験が行われている。

感染動物飼育区域
(バリアー方式)

アイソラック等の陰圧一方向気流方式

飼育装置以外に室内給・排気系に HEPA フィルター設置の二重安全対策が採られている。

病原体安全度分類 P1 〜 P3 クラスの微生物を用いた感染実験と PA2 レベルの遺伝子組換え実験が可能である。

マウス,ラット,ハムスター,スナネズミ,ウサギ,コモンマーモセットを用いた実験が行われている。

特殊実験区域
(オープン方式)

行動観察室,昼夜逆転実験室,恒温恒室飼育室等があり,マウス,ラット,ハタネズミを用いた実験が行われている。

管理区域

事務室,教職員室,飼料倉庫,洗濯・シャワー室,洗浄室,フリーザ室等の部屋の他, γ 線照射装置・ X 線撮影装置等の部屋がある。

平面図



 

飼育環境等の統御

●各飼育室の温・湿度,熱源,空調機の運転状況等は,医学部エネルギーセンターと施設で 24 時間監視している。

●施設への搬入動物の検疫・検収および飼育動物への年4 回の微生物定期検査で
  飼育動物の微生物統御を行っている。