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2020.9.12-13希望創発研究会(9月例会・オンライン)を実施

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2020.9.12-13希望創発研究会(9月例会・オンライン)を実施

2020年10月6日

9月12日(土)-13(日)、希望創発研究会(9月例会・オンライン)を実施し、企業人20名、学生16名、その他関係者30名の計66名が参加しました。

1日目
基礎セミナー「街ブラ・オンラインワークショップ ~世界が広がる!~」発表と共有
講師:関西大学 谷 俵太氏(希望創発センター 客員教員)

9月例会までの宿題となっていた、街を歩いて見つけた道端芸術(※)の写真を全体共有しました。講師 谷氏の質問「写真のおもしろポイントは?」「普段から見ていた風景?」に参画者が応え、掛け合いしながら、写真撮影の背景や「面白い」と感じたストーリーを紹介。参画者のみなさんの感性がキラリと光る発表でした。
※道端芸術:人が意図せず作った建造物などから、自分の「面白い」を感じる(見つける)。

基礎セミナー「街ブラ・ワークショップから学べること!」
講師:東北大学 縣 拓充氏

街ブラ・ワークショップでの体験の意味づけとして、「普段驚くほど多くのことを見逃していることを体験として知る。」「他者から触発されて、新たな「見る」視点・感性をさらに拡げる。」などを挙げられ、美しい芸術や自然などに「深く感動できること」だけでない、感性の定義をお話くださいました。

基礎セミナー ワークショップ「~心が広がる!~ 全員参加 大俵グランプリ開催」
講師:関西大学 谷 俵太氏(希望創発センター 客員教員)

企業人・学生・教員の混在チームで、漫才・コント・なんでもOK、お笑いのネタを作って発表しよう、というワークを行いました。普段、漫才を見ることはあっても、自作自演するのは多くの参画者が初めてだったと思われますが、方言(土佐弁)の聞き間違い、講師の谷氏をいじる、オンライン面接、父と娘の会話…などなど、短い時間ながらもチームメンバーで協力して作ったネタを披露しました。

基礎セミナー「大俵グランプリから学べること」
講師:東北大学 佐藤 智子氏(希望創発センター 客員教員)

ワーク「大俵グランプリ」での経験から得られる学びを、様々な角度から理論的に話をされ、新しい経験の重要性や笑いが秘める可能性を知ることができました。

基礎セミナー 学生団体Seekersメンバーによる哲学セッション「普通とは…」
学生8人による対話セッションを、参画者が体感する機会となりました。詳しくは、Seekersのブログでご紹介しています。


2日目
基礎セミナー「感性ってなんだ!」
講師:映画監督 安藤 桃子氏
インタビュアー:関西大学 谷 俵太氏(希望創発センター 客員教員)

2014年 映画『0.5ミリ』の撮影を機に高知へ移住された安藤氏を講師に迎えました。
前半は安藤氏と谷氏の対談を行いました。安藤氏の感性はどのように育まれたのか、幼少期のエピソードを交えながらお話くださいました。後半は参画者からの質問(以下参照)に答えてくださいました。
「高知との出会い、移住を選択された決定的なポイントは?」
「軸や核は、これまでブレたり変わったりはしなかったのでしょうか?」
「息子の夢をどうやって背中を押してあげればよいでしょうか?」
「やりたくない事をしてくれている人がいるので社会が回っているとも思うのですが、感性をみんなが大事するのは良くない事でしょうか?」

基礎セミナー「私たちは、今、何を経験しているのか?」チーム議論実践
講師:一般社団法人つながりのデザイン 船木 成記氏(希望創発センター 客員教員)

10月以降に始まるチーム議論に向けての事前演習として、「私たちは、今、何を経験しているのか?」をチームで話し合い、出てきた意見を共有しました。コロナ禍で変わった日常の風景、環境・食文化の変化、一気に進んだオンライン化など、共有内容がホワイトボードに溢れ、活発に意見交換された様子が伺えました。



基礎セミナー「効果的な学びのために」
講師:東北大学 佐藤 智子氏(希望創発センター 客員教員)

1日目の佐藤氏の講義で紹介された変容的学習を更に詳しくお話くださいました。また、事実や出来事を発散し物語として紡ぐ、語ることによりリフレクションを促進することができる「ナラティヴ学習」をご紹介くださいました。

<参加者の声>
・目的をもって歩くと、それが見えてくる。新聞を読んでいても自分の興味のあるものは目に入ってくるが、興味のないものは全く目に入らない。まずは興味を抱くこと、そこから発見が始まる。また縣さんの、アイデアを採用する基準として、その先の発展性、その先が想像できるというのは事業を拡大するうえで重要だと感じた。

・道端芸術では普段見ているようで見ていなかったものを発見するという経験、また個人個人で着眼点が異なるという学びを得た。大俵グランプリでは新しい経験、困難な経験を体感することで、自分たちにもできたという強みを持ち、変容的学習の一部を体感した。

・社会人として、学生さんが真剣に議論する姿を見て、自分の学生時代では想像できない光景だったため刺激を受けた。また、お題の「普通」という言葉も当たり前に使っている事に焦点を向けるとうまく言語化できないということを感じ、文脈や語彙で意図せず表現できるありがたさとその裏にある安易に言語化していることで失われているものを垣間見た気がする。

・安藤桃子さんのパワフルさの源泉は、自分のやりたいことをしているという所であると強く感じた。感性ってなんだろうと考え、感性を磨くなどの言葉があるが、感性=自己であると感じた。自分自身を理解することで、改めて好きや嫌いなこと、やりたいこと、なりたいものを再確認できる。

・創発を起こすためには、多様性を持った人々が、安全・安心な環境下で自由に意見を出せる土壌が必要である。人が見ているものは思いのほか少なく、ほとんどのことを見逃している。また、同じ事実・事象であっても人によって捉え方が異なる。そのため、1人のアイデアからは創発が起こる可能性は限りなく低く、たくさんの多様性を持った人の視点、思考、感性を持ち寄ることで、初めて創発は起こる。
 

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