高知大学ポータル

2021.11.13-14希望創発研究会(11月例会)を実施

ホーム > 希望創発研究会 > 例会実施報告

2021.11.13-14希望創発研究会(11月例会)を実施

2021年12月7日


11月13日(土)-14日(日)、高知大学希望創発研究会(11月例会)を実施し、東京など県外企業人、高知県内企業人合わせて15名、学生14名、その他関係者14名の計43名が参加しました。

2021年度スタート時からオンライン開催してきた研究会は、今回初めて対面とオンラインのハイブリッドで開催しました。チームメンバーに直接会うことができた参画者からは下記のような喜び&驚きの声が届きました。
・初のリアルでの顔合わせということで、活動を共にする仲間、チームという感覚が感じられ、なんだか初々しかった。
・チームの皆が直接現場の方の話を聞いたことで、オンラインやネット上だけでは気付かない・感じなかったことに気付け、新たに感じた事もあった。
・モニター越しと対面では、やはり受ける印象が随分と違う。思っていたより背の高い人だったり…、ビックリした。



この2日間はまるまるチーム活動の時間でした。各チーム高知県内各所に調査に赴かれ、高知を体感することができたようです。訪問レポートをご覧ください。

【チーム1】
■11月13日(土)午前中に、高南メディカルへ訪問。
みらい食堂を企画する大学生とその場を提供する宮本さんにお話を伺う。みらい食堂は、高知県立大学生が主催で、小学生未満の子供たちにお弁当提供を通じて、子供たちへ居場所を提供。今までコロナの影響で活動できなかったが、今回2年弱ぶりに開催。

・宮本さんには、地域のつながりの大切さや関係の築き方のお話をしていただき、学校外の学習の重要性を感じました。大学生にお話を伺い、大学で学んだこと(子供とのふれあい方、栄養学、福祉)を実践する場を企画するモチベーションの高さに感動しました。
・明確な目的意識をもって活動する学生の姿が印象的だった。とくに「学生の目的意識の希薄さ」を課題と捉えていたため、そうではない学生たちの想い・言動・行動から学ぶことは多かった。それを支援する宮本社長の精神に関しても聞くことができ、志を持って活動する人・それらを支える人・その活動の価値を享受する人を一度に見られたのは非常によい機会だった。今後の活動のでき姿をイメージすることができた。
・こどもみらい食堂(という県大のボランティアサークルの活動)に参加している学生さんは、将来やりたいことがはっきりしている方が大半だった。福祉系、栄養系の学生が中心で、そもそもやりたいことがはっきりしている人が行く学部なので当然かもしれない。我々が実現したい理想の教育の一つである「目的と目標をはっきりさせる教育」の少なくとも前半部分(目的をはっきりさせる)は必要ない方ばかりだった。我々のターゲットである「やりたいことが見つからなくて悩んでいる学生」がどれくらいいるのかもう少し入念に調べる必要がある。
・宮本さんのお話から、進路について「不安」になることも重要、「学びたい」というよりも「楽しい」が強くこの経験は、「第3者」からの助言によって導いてくれることが多い。子供には学校教育だけではなく、社会教育を経験させることで、普段とは違う環境に触れさせることができる。また現代は、親が支配しており、学校の先生が思い切ったことができない。だから、地域での関わりをもっと持って、信頼関係を築くことが必要である。また子供と大人が関わる機会を作ることが大切。

実際に活動している大学生とその場を提供する宮本さん、双方の想いを伺えたことは、チーム活動の貴重な財産となった。チームの検討課題の主である「教育」課題で浮き彫りになった地域・社会教育、親による教育への理解、安心安全な環境をどのように解決できるか今後議論する。

■11月14日(日)午前中に高知城➡︎歴史博物館➡︎鏡川➡︎日曜市の順に市内を観察調査。

・歴史博物館では、高知を中心とした四国の歴史に触れられた。活動に直接活かすかは別として、活動の中心にある高知の歴史を学べたのは収穫だった。
・高知城、資料館、日曜市、街並みを探索し、高知の歴史と現在の暮らしを垣間見ることができ、地方創生を考えるうえで大変参考になりました。緊急事態宣言も解除され、県外在住のメンバーが高知入りすることができました。チームメンバーと直接会うことができ、ともに議論できることをうれしく思いました。この機会を提供していただいた事務局および参画教員の方々へ御礼申し上げます。

高知在住チームメンバーも、高知城を観光する人がたくさんいるのを久々に見たとのことで、再び賑わった街並みを直接見れたことに満足しつつ、今後も感染対策をしながら議論を進めていきたい


【チーム2】
チーム2では『防災』を軸としてこれまで話し合いを進めてきました。今回の例会は初めての現地開催ということもあり「高知を肌で感じること」と「高知で実施されている防災の取り組みを知ること」を目的に1日目は黒潮町、2日目は日曜市を訪問しました。
今回訪問先に選んだ黒潮町は2012年に公表された南海トラフ地震による津波想定が全国で最悪の34mでしたが、その後役場と専門家、地域住民の協力によって様々な防災対策、まちづくりが行われています。
黒潮町では、カツオのワラ焼きタタキづくり体験ができる黒潮一番館にて漁師さんと漁協女性部の方々のご指導のもと、自分たちで捌き、焼いた塩タタキをいただきました。さらにご指導いただいた方々へのインタビューを行い、町で行われている防災対策についてどのように感じ、参画しているのかを聞きました。
また午後には砂浜美術館を訪れ、何もない美しい砂浜から高知の自然の豊かさと共に砂浜美術館が伝えたい「ないことに捉われずに、あるものの価値を見出すこと」を感じることができました。


【チーム3】
チーム3では、「自然」「住みやすい環境」「お互いが助け合う社会」「選択機会」などが、これまでの議論においてキーワードとして挙がってきました。これらのキーワード、あるいはチームメンバー個々が抱いている課題について深めるべく、四万十町と越知町を訪問しました。
四万十町では、元地域おこし協力隊で現在ゲストハウスを営む石井創様岩本寺住職の窪博正様に、越知町では地域おこし協力隊の廣瀬真也様と大原梓様にインタビューをさせていただきました。
地域の活性化に向けて最前線で活動されている方々に、「どんな視点で地域を見ているのか?」「地域が抱えているリアルな課題はどんなことか?」「回りを巻き込んでいくコツは何か?」など様々な大変貴重なお話を聞かせていただきました。
チームで議論しているだけでは知り得ないお話ばかりで、色々な刺激を受け、チームや個人で今後扱うテーマやはたまた生き方についても考えさせられた有意義な訪問でした。


【チーム4】
11月のチーム活動では、課題の絞り込みを行う前段階として、現在チームメンバーが興味ある分野である「観光・脱プラ・教育・少子高齢化」の高知県の実情を把握するために、13日(土)は高知県東部にある『道の駅各所』『むろと廃校水族館』『室戸岬』、14日(日)は高知市内で開催されている『日曜市』へ行きました。高知市内より車にて室戸市へ向かいましたが、まず改めて高知県の東西に長い県土にアクセスの課題を感じるとともに、廃校の多さや南海トラフ地震に対する避難塔の多さを目の当たりにしました。また、海岸沿いの景色の良さや室戸ジオパーク、くじら肉や室戸の海洋深層水、幕末関連などの観光客に対するコンテンツの多さも感じることができました。『むろと廃校水族館』では、各地に年々増えている廃校の有効活用の可能性を感じるとともに、下記に添付しているような展示の工夫や海洋プラごみに対する示唆に考えさせられるものがありました。
※以前のチーム議論の中で海洋プラごみの約5割が漁網やロープ・ブイであると調べていたので

また、『日曜市』では規模感の大きさと賑わい、高知県内の名産品の多さを感じるとともに、出展者の高齢化が気になる点でした。一方で、家族内での世代交代や大学生や高校生の授業?のような出店も少数ですが見受けられ、これまでの日曜市とは形態が異なってき始めているように感じた。(地元民談)
新たなニーズにも応え、時代とともにその内容が変わっている日曜市が、高知県の魅力を継続的に発信していく場所として今後何か仕掛けられることがあるのではないかと学ぶことがありました。

以上のような体験を通して、東西に長い県土でのアクセスの課題と各地にある様々なコンテンツをいかに外に対して伝えていくか、いかに単独ではなく関連させて広めていくか、いかに継続的に発信していくかなどを今後議論していく予定です。


【チーム5】
チーム5は高知県東豊永地区を訪問しました。
研究テーマを絞れていないため、限界集落で地域活性化に取り組まれる方の話をお聞きすることで、現状把握・課題整理を行い、2030年のありたい姿について考えるため、地元にUターンされた「東豊永地区地域代表 氏原様」「ギャラリー夢来里 都築夫妻」にインタビューさせていただきました。
Uターンの理由や、Uターン後の地元住民の反応、今どのような思いをもって活動されているか、将来あってほしい姿など色々なお話をしていただきました。
地域活性化の考えを周りに強制せず、地元住民の方の思いを尊重しながら、自身のやれることをやっていくという姿が印象的でした。Uターンされた当初は周りから懐疑的な目で見られることが多く、徐々に理解が深まってきたとのことで、協力までいかなくても、活動内容を知ってもらうことが第一歩になると感じました。

上へ