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2022.11.12-13希望創発研究会(11月例会・対面)を実施

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2022.11.12-13希望創発研究会(11月例会・対面)を実施

2022年11月24日

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   11月12日(土)-13(日)、高知大学希望創発研究会(11月例会・対面)を実施し、県外企業人、高知県内企業人合わせて8名、学生11名、その他関係者12名の計31名が参加しました。
 今回は、前回に引き続き、現地に赴いて調査を行うチームもあれば、キャンパスに腰を据え、調査結果を踏まえて議論を深めるチームもありました。
 次回12月例会は、各チームの進捗報告をオンラインで行う予定です。

    以下、現地調査を行ったチームの訪問レポートをご覧ください。

 

【チーム2:We Love Kochi】
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 北川村観光協会まで、「ゆずフェス」の企画の一環である柚子収穫体験に行き、スタッフの方々にお話を伺いました。
 かつて西日本を代表する林業で有名だった中芸地域は、その財源を柚子加工製品へと変化させており、現在その文化が日本遺産として認定されています。
 今年で認定から5年。更新審査は6年ごとに行われるため、継続のためにも地域の文化をアピールする活動が必要とのことでした。
 今回参加したゆずフェスも第9回目を迎え、搾りたて「柚酢(ゆのす)」を瓶詰めしたり、蜂蜜と混ぜてジュースにして飲んだりと、小規模ではありましたが、柚子製品のお土産付き収穫体験などのプログラムで観光客を集め、地域を盛り上げるための活動を実践されていると感じました。
 一方でお話を伺いながら、この地域でも最も奥地にあり人口も少ないけれども、村のブランド化に成功している馬路村の加工製品の開発力や販売力の強さも感じました。
 ゆずフェスのあとは中岡慎太郎館に行き、北川村の歴史と北川村出身の偉人である中岡慎太郎について学びました。北川村という小さな村から倒幕を志し坂本龍馬らと共に数々の偉業を成し遂げた功績に感銘を受けました。また、北川村で柚子が栽培されるようになった経緯なども学ぶことができ、この地域と柚子の深い関係性を理解できました。

 二日目は、室戸市にある「むろと廃校水族館」に行きました。この水族館は廃校を有効活用して成功しており、当日もあいにくの雨模様にも関わらず多くの人で賑わっていました。展示コーナーでは、地元で獲れた魚だけでなく海のゴミ問題に関しても多く展示しており、運営している「日本ウミガメ協議会」の方々の環境問題に対する危機感と子供達に理解してもらうための工夫が見られました。


【チーム3】

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 チーム3は、高知県の過疎地域の暮らし、特に過疎地域に住み続ける高齢者の暮らしに注目し、何が彼らにとって幸せなことなのか?考えました。その中で、コンパクトシティ化が進み、過疎地域の高齢者たちが、今までよりも便利(買い物・医療・介護・交通等)で、他者(子供や孫、友達等)と交流しやすい都市部へ集約されることは、彼らにとって新たな楽しみもできるので幸せなことなのではないか、との仮説を立て、10月に引き続き土佐町石原地区を訪れ、地元に暮らす方々にインタビューを実施しました。

乗り合い送迎サービス「チョイソコ」
 土佐町にて実証実験中の乗り合い送迎サービス「チョイソコ」の事務局になっている合同会社いしはらの里の中町さんと三谷さん、チョイソコを利用しているT子さんにインタビューをしました。チョイソコの利用登録者数は令和4年10月7日時点で167名。地域住民の新しい生活の足になることが期待されているが、現状ではサービス提供開始間もないこともあり、実際に生活の足として活用している人は一部に限られているとのことでした。
 チョイソコ利用者のT子さんは石原地区の中でも山の上の方に住んでいる高齢者。免許を返納したタイミングでチョイソコのサービスが始まったため、月に数回の頻度で利用。「チョイソコであれば自宅前まで送迎してくれるので、遠く離れたバス停まで行かなくていいし、買物の荷物も運んでもらえるので高齢者にはありがたい。無料の実証実験が終わって、サービスが有料化されても利用したい、逆に無料だと遠慮してしまうので使いにくい」とお話してくれました。

T子さんの暮らし
 T子さんの自宅は石原地区の集落から更に山を上がった場所にあります。庭からの眺めは石原の集落を一望でき、抜群。山の斜面にある畑で自家消費用の野菜を育て、庭の芝生や花壇の花の手入れを全て、最近米寿を迎えたというT子さんが一人で行っています。また、風呂は薪で沸かすオールドスタイルを今なお続けています。高齢になったことに加え、畑仕事中に転倒して腰を傷めてしまった今でも、町で便利な生活をしたいとは思わないとのこと。「ここは町のような便利な生活はできないが、自由がある。自由に生きたい。友達とは電話をするくらい。みんなで集まったら、そこで少なからず気を使うことが出てくる。」

移動スーパーとくし丸利用者(80代女性)の話
今日の食事に不足しているものや、ご主人の晩酌のアテを買うのに利用。「とくし丸の音楽が聞こえてきたら「今日は何があるかな」みたいな感じで買いに来ている。ご主人(80代)がまだ車に乗れるので、基本的には少し離れたスーパーで買い物をしている。」「子供や孫が高知市内にいるが、市内へ移り住む気はない。これまで一生懸命働いてきたので、余生はここで自由を楽しみたい。」

現地訪問を経て
皆さんに共通していたのが「自由に生きたい」という点。現地での暮らしを目の当たりにして、不便さは否めないが、町ではできない素晴らしい生活をしていると感じました。また「若い人が集落に興味を持って来てくれて、話を聞いてくれるのはとても嬉しい」とのお声もいただきました。地域の魅力や文化をよく知る高齢者と域外の若者が交流・協働できる仕組みを創り、新たな価値を生み出す!というコンセプト案が生まれました。これからブラッシュアップしていきます。

 

【チーム4】

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 チーム4は1日目に仁淀川町の中津渓谷紅葉まつり、2日目に高知市で豊穣祭とふるさと祭を訪問しました。

 1日目は前回気になるテーマであった「中山間の人手不足」という課題をもって訪問しました。実際に中山間地域である仁淀川町で開催された紅葉まつりのイベントに参加している方に話を聞くことができました。その中でイベントの人手不足を問題視している声と同時に地域に還元できるような取り組みがよいという声も聞くことができました。また移住してきた方からは高知県には魅力的なものがあるが、住居の確保が困難であったというお話をいただきました。さらにこの地域に移住してきた方は仁淀川の水に惹かれて来たというのも特徴的でした。

 2日目は1日目の話を受け、高知の気候や特徴を活かして生産されたものをターゲットに定めつつ、どんな魅力があるかを模索しました。午前にとさのさとの豊穣祭、午後にふるさと祭を訪問しました。こちらでも高知県に移住してえごまの栽培をされている方や今まで注目されていなかった食材に目を付けて商品開発をされている方のお話を聞くことができました。

 次回はさらに具体的なターゲットやアプローチ方法について議論を進めていく予定です。
 

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