核医学検査とは

画像診断読影風景

 核医学検査は、微量の放射線を出す放射性医薬品を体内に投与して、その分布状態(どこに集まるか)から代謝や機能の評価を行う検査です。
 当科の核医学検査は、 附属病院PET センターにおいて2台の SPECT (single photon emission computed tomography) 装置と2台の PET/CT (positron emission tomography) 装置を用いて行っています。 SPECTは1方向のガンマ線を放出する放射性医薬品を用いる検査です。PET/CT検査は正反対方向のガンマ線を同時に放出する放射性薬品の検査で、最近話題の分子イメージングの一つでもあります。SPECT、PET/CTを用いて、腫瘍、炎症、脳、甲状腺、肺、肝臓、消化管、その他病変の種類や臓器の機能など目的に応じて多岐におよぶ検査を施行しています。
 PET/CTを有する施設は当PETセンターを含めて県下に2施設のみであり、県下の要望に応えて全国的にもトップレベルの検査数をこなしています。サイクロトロン、多目的合成装置を保有しており、2017年からはメチオニンPETを開始しています。将来的にはさらに他の核種を用いたPET/CTの研究および臨床での活用も検討されています。代謝や機能評価を目的とする核医学検査はCTやMRIと相補的な役割を担い、診断や治療効果判定に活用されます。令和元年度のPET/CT検査数は3665件、その他の核医学検査数は1601件でした。
 なお、PETセンターでは検診PET/CT も希望者に行っています。詳細は当院PETセンターホームページを参照ください。
 また核医学を用いた治療として、当院では甲状腺癌や甲状腺機能亢進症に対する放射性ヨウ素内用療法、転移性骨腫瘍に対する塩化ラジウムRa-223治療を行っています。

対象疾患

医療機器CT

設備:SPECT (single photon emission computed tomography) 2台
   PET/CT (positron emission tomography) 2台

PET/CTの保険適応
悪性腫瘍(早期胃癌を除く):他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確定できない方に使用する。

てんかん:難治性てんかんで外科手術が必要とされる方に使用する。

血管炎:高安動脈炎等の大型血管炎において、他の検査で病変の局在や活動性の判断のつかない方に使用する。

PETの保険適応
心疾患:虚血性心疾患による心不全患者における心筋組織の虚血性心疾患による心不全患者における心筋組織のバイアビリティ診断(他の検査で判断のつかない場合に限る。) 又は心サルコイドーシスにおける炎症部位の診断が必要とされる患者に使用する。

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