がんゲノム医療とは?
「がん」は様々な遺伝子の異常が積み重なることで発症し、
その遺伝子の異常は患者さんごとに異なることが明らかになってきました。
がんゲノム医療では、「がん」の遺伝子異常に対応するような治療薬の情報を提供し診療に役立てます。そのためにはがん遺伝子パネル検査が必要です。
がん遺伝子パネル検査
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がん遺伝子パネル検査とは
がん遺伝子パネル検査は、患者さんのがんの組織や血液を使って、がんに関連する複数の遺伝子を一度に調べる検査方法です。検査に基づいて考えられる治療薬の提案までがこの検査に含まれます。
（本院実施のがん遺伝子パネル検査の種類は医師または看護師にお尋ねください。）
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がん遺伝子パネル検査の限界や注意点
- 検査を行っても、遺伝子に変異が見つからない場合や、変異が見つかっても治療に使用できる薬剤がない場合があります。これまでの研究では遺伝子変異に合う薬剤投与ができた患者さんは約１０パーセントです。
- この検査は、治療効果が期待できる治療薬の情報を提供しますが、治療効果を保証するものではありません。
- 検査の結果、有効な薬剤が見つかったとしても、その薬剤が保険で承認されていない場合は、治療費は自己負担となります。
対象となる方
下記のいずれかの状態に当てはまる方が対象になります。
- 標準治療が終了もしくは終了が見込まれる患者さん
- 標準治療がない希少がんの患者さん
- 原発不明がん（がんが最初に発生した臓器がはっきりせず、転移病巣だけが大きくなったがん）の患者さん
- 上記①～③のいずれかを満たし、日常生活に支障がなく、化学療法を受けることが可能と考えられる患者さん
受診までの流れ
患者さん・ご家族の場合
受診を希望する方は、まずは、がん相談支援センターまでお問い合わせください。
高知大学医学部附属病院
がん相談支援センター
電話 088-880-2179（平日9:00～17:00）
がん相談支援センター
電話 088-880-2179（平日9:00～17:00）
当院でがん遺伝子パネル検査を希望する医療機関の方へ
がんゲノム医療外来受診までのながれ
- 受診に必要な書類をご準備ください。家族歴問診票は、患者さんにご記載いただき、必要書類とともに同封若しくは当院受診時にご持参をお願いします。
- 必要書類とともにがんゲノム医療外来申込書にて※FAX（088－880－2774）申し込みをしてください。
- 申し込み完了後、がんゲノム医療コーディネーターよりご連絡させていただきます。
- がんゲノム医療外来受診日が決定すれば、予約センターよりご連絡させていただきます。
- がん遺伝子パネル検査の同意書取得後、当院へ検体送付をお願いします。
（検体が他院や検査会社にある場合は、申し込み時に貴院で取り寄せのうえ、検体情報チェックリスト作成） - がん遺伝子検査を進めるにあたり、詳細な治療情報が必要となります。受診に必要な書類の中にある「C-CAT情報データベース」に記載し※FAXをお願いします。
- がん遺伝子パネル検査の結果開示後、結果を主治医宛に郵送させていただきます。
以下のような書類が必要になります。現在通院されている、医療機関で作成いただきますようお願いします。
- がんゲノム医療外来申込書
- 診療情報提供書（画像や検査所見と言ったデータ含む）
- 看護情報提供書
- 病理診断報告書
- 検体情報チェックリスト
- 「C-CAT情報データベース」
- 最新の画像とレポート
- 家族歴問診票（シートの中の家族歴問診票）
外来の流れ・費用について
がんゲノム医療外来の流れ
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Step 1予約
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Step 2受診
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Step 3評価・作製
- がん組織検体を病理専門医が評価、標本作製
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Step 4検体提出
- 検査機関に提出
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Step 5結果説明
- がんゲノム医療外来で説明
※受診から結果説明までに2～３ヶ月程度かかります
費用について
保険診療
検査料金
- 総額56万円分の1～3割が自己負担
- 高額療養費制度の対象
注意点
- 「検査に必要な品質のDNAが検体に含まれていなかった」などの理由で、検査会社に提出後、検査結果が得られないことがあります。検査によってはがん遺伝子パネル検査が中止になったとしても検体提出時費用は返却されません
- 新たに、腫瘍組織を取るために検査や手術を行った場合は別途費用が必要です
- 検査の結果、使用できる薬剤が見つかった場合、保険承認されていなければ治療費は自己負担となります。
検体について
検体について（患者さんへ）
- 過去（原則3年以内）の手術等でのがんの検体が残っている場合には、その一部を利用して検査を行うことが可能です。
- 以前の検体が古い場合やがん部分が小さな検体の場合には検査ができない場合があります。また保存方法によっては利用できないこともあります。その場合には、新たにがんの検体を採取する必要があります。
検体について（医療機関へ）
組織検体
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ホルマリン固定パラフィン（FFPE）ブロックのご提出をお願いします。
未染スライドでの提出は扱っておりません。
腫瘍細胞を多く含むブロック(20%以上)をご選択ください。 - 1ブロックあたりの腫瘍面積が5x5mm(25m㎡)以上必要なため、腫瘍面積の少ない生検組織（特に針生検組織や内視鏡組織）に関しては、1ブロックに複数の組織片を包埋してご提出ください。
- 提出時に、検体チェックリストおよび貴院での病理診断結果を併せてご提出ください。
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使用後のFFPEブロックは検査会社ではなく貴院に返却いたします。
提出していただいたFFPEブロックについて、当院でHE染色を行い評価いたしますが、パネル検査に適さないと判断されることがあります。また極小検体の場合には検体が消失する可能性があります。 -
検体について以下の推奨事項をご確認ください：
【切除・採取直後の組織の取り扱い】
- 生検により採取された組織は、速やかに固定液に浸漬し固定を行う。
- 手術により切除された組織は、摘出後30分以上室温で保持することは極力避ける。
- 摘出後は速やかに冷蔵庫など4℃以下で保管し、1時間以内（遅くとも3時間以内）に固定を行うことが望ましい。
【固定について】
- 固定液は、中性緩衝ホルマリン溶液を用いることが望ましい。
- 固定時間は6～48時間が望ましい。
【FFPEブロックの選択について】
- FFPEブロックの核酸品質は経年劣化するため、作製後3年以内の検体を使用することが望ましい。
- 切除・採取時期が異なる検体がある場合、作製時期が最新の検体を第一選択とする。
詳しくは日本病理学会のゲノム診療用病理組織取扱い規定をご参照ください。
（ http://pathology.or.jp/genome_med/ ） - 検体の送付について
検体の送付は、患者さんの検査の同意取得後になります。
担当者より連絡いたしますので、当院「がんゲノム医療センター」宛にお送りください。
FFPE検体は、衝撃を受けないように緩衝材やガーゼなどで保護し、清潔な容器に入れて郵送してください。
品質保持のため、夏場はクール便を推奨します。
必ず簡易書留にて郵送をお願いします。
郵送先：
〒783-8505 高知県南国市岡豊町小蓮185-1赤字にて「がんゲノム医療検体在中」とご記載ください。
高知大学医学部附属病院
がんゲノム医療センター 宛
血液検体について
- 当院にて、規定のスピッツへ採取します。
Q&A (よくあるご質問）
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ANSWERがん（腫瘍）のもつ遺伝子の特徴を調べる検査です。この結果によって、効果の期待できる治療を検討できる場合があります。
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ANSWERがん遺伝子パネル検査によってそのがんに特有の遺伝子の変化が見つかった場合、その変化に対応した治療が行える可能性があります。しかし、すべての遺伝子の変化に対して抗がん薬があるわけではありません。
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ANSWER希少がんの方、標準治療をしている、もしくは、標準治療が終了した（する）固形がん、原発不明がんの方になります。
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ANSWER推奨される治療がなくなった場合、もしくは現在行っている治療の効果がなくなったらその次には推奨される治療がないという場合にがん遺伝子パネル検査を受けることが考えられます。
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ANSWER検査結果をお伝えできるのは約1ヶ月以上、場合によっては2ヶ月ほどかかる可能性があります。
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ANSWER遺伝子の変化が見つかった場合は、その遺伝子の変化に対応した抗がん薬（分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤など）での治療が検討できます。しかし、対応した抗がん薬がない場合もあります。
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ANSWERがん遺伝子パネル検査でみつかる遺伝子の変化のほとんどは、次世代に受け継がれることはないと考えられますが、遺伝性腫瘍に関連していると考えられる遺伝子の変化や所見が見つかる場合があります。
遺伝性腫瘍とは「生まれつきがんを発症しやすい体質」のことで、遺伝性腫瘍と関わる遺伝子の変化は、血縁者間で共有されている可能性があります。
臨床遺伝診療部では、この遺伝性腫瘍に関わる情報提供とご家族の方への対応や健康管理の方法などを、遺伝カウンセリングを通してお伝えしています。
詳しくは、臨床遺伝診療部のウェブサイトをご覧ください。
リンク：http://www.kochi-u.ac.jp/kms/hsptl/medical/division/genetic.html -
ANSWER「がんゲノム医療中核拠点病院」および「がんゲノム医療拠点病院」は、専門家が集まって遺伝子解析結果を検討する委員会（エキスパートパネル）を開催できるなど、規定の施設基準を満たした医療機関です。「がんゲノム医療連携病院」は、中核拠点病院・拠点病院と連携して、がんゲノム医療を提供する医療機関とされています。がんゲノム医療を適切に患者さんに提供できるという点においては違いはありません。
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ANSWER完全予約制となっております。まずは主治医へ相談し、当院のがんゲノム医療外来の受診予約を取得してください。ご不明な点があれば、がん相談支援センターへお問い合わせください。
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ANSWER原則、紹介元の医療機関で行っていただく方針としています。紹介元の先生とご相談ください。
お問い合わせ
受付時間：月～金 8：30～17：00
（土・日・祝日を除く）
（土・日・祝日を除く）
患者さん・ご家族の方は、
がん相談支援センターへ
電話番号：
088-880-2179
医療機関の方は、
がんゲノム医療コーディネーターへ
電話番号：
088-866-5811（代表）
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