地震発生帯物質循環研究

研究拠点概要

Project.02
地震発生帯物質循環研究
沈み込み帯は、全長ほぼ4万キロメートルにおよび、地球表層の物質が深部に持ち込まれる巨大な物質循環の場であり、地球上の地震エネルギーの90%が放出される場でもある。近年、沈み込み帯における物質循環・変形・流体挙動が堆積物物性を変化させ、地震発生に強く関わっていることが指摘されている。

昨年、我が国主導で南海トラフ地震発生帯の掘削計画が開始された。この計画では、今後さらに深部へむけて掘削し、最終的に地震発生帯のコア試料を取得する予定である。

本研究課題では、IODP掘削コアや関連する堆積物を解析し、沈み込み帯浅部から深部にわたる物質循環・変形・流体挙動を検討し、物質が地震発生能力を取得するプロセスを理解することを目指す。また、過去のプレート収束域における特異な化石群集から冷湧水の起源や供給経路について新たな情報を引き出し、地震発生帯の構造解明に新視点を導入する。
研究課題
南海トラフ地震発生帯における構造解析と流体挙動(橋本善孝)
放射性同位体を用いた
  プレート収束域の物質循環の解明(村山雅史)
冷湧水周辺に分布する生物群集・
  化石群集およびその立地条件(近藤康生)