公開日 2011年9月14日
文部科学省の支援を受けて本学が取り組んでいる「イノベーティブマリンテクノロジー研究者育成」事業により 支援されているテニュア・トラック教員 三浦 収(みうら おさむ)総合研究センター特任助教と、スミソニアン熱帯研究所、 カリフォルニア大学の国際共同研究チームは、アメリカ大陸沿岸から集めた潮間帯の巻貝の遺伝子を調べ、 太古の昔に海の生物が、不可能と考えられていたアメリカ大陸を横断していたことを世界で初めて突き止めました。
これまでの野外観察の結果等から、巻貝は、渡り鳥に運ばれて空を渡り対岸へと移動したものと考えられます。
チャールズ・ダーウィンが1859年に発表した「種の起源」には貝や昆虫が鳥によって運ばれる可能性が論じられています。 しかし、特に海の生物においてはこのことを証明できる有力な証拠はありませんでした。
この結果は、生物の不思議な分布パターンに想いを馳せたダーウィンやシンプソンという偉大な先人の仮説を支持する重要な発見であると考えられます。
この研究結果は、英国の学術専門誌「Proceedings of the Royal Society B」(英国王立協会紀要)のオンライン版に掲載されています。