◆海洋コア国際研究所の氏家由利香教授ら研究チームの研究成果が、「Science Advances」に掲載されました

2023年6月22日

 海洋コア国際研究所の氏家由利香教授ら研究チームの研究成果が「Science Advances」に2023年6月21日付けで掲載されました。

 サンゴや貝類など石灰質の殻や骨格を形成する海洋生物は数多く存在しますが、石灰化(※1)に関する分子メカニズムの全容を解明することは困難でした。

 本研究チームは、殻を形成している状態の有孔虫(※2)個体から発現遺伝子を抽出し、殻を形成していない個体と比較することによって、石灰質成分の形成・析出に関連する遺伝子群の全容を把握することに成功しました。

 本研究成果は、有孔虫がユニークな石灰化メカニズムによって環境変化に耐えることができ、現在急激に進む地球温暖化・海洋酸性化の中でも生き抜いていく可能性を示唆しており、今後地球環境の変化がもたらす生物への影響を理解する基本的な知見となります。

 なお、本研究は高知大学海洋コア国際研究所、国立研究開発法人海洋研究開発機構の研究チームによって達成されました。詳細は以下のリンクをご覧ください。

 

雑誌名:Science Advances
論文タイトル:Unique evolution of foraminiferal calcification to survive global changes
著者: Yurika Ujiié*, Yoshiyuki Ishitani, Yukiko Nagai, Yoshihiro Takaki, Takashi Toyofuku, Shun´ichi Ishii
DOI:10.1126/sciadv.add3584
プレスリリース「有孔虫の石灰質の殻形成に関する代謝メカニズムを解明」.pdf(456KB)

 

(※1)石灰化‥生物がカルシウム塩(鉱物)を分泌して硬い組織を形成すること。様々な生物で見られる現象で、貝殻などもその一例である。

(※2)有孔虫‥単細胞真核生物の仲間で、沿岸〜深海の海底や海洋表層〜深層に分布する。約5億年前から地球上に存在し、数多くの化石が残っている。「星砂」も有孔虫の1種である。

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