入局案内Training and Education
医学生や初期研修医のなかには、なんとなく血液内科に興味があるのだけれど、難しそうで自分にできるかちょっと心配、という人がおられるかもしれません。でも大丈夫です。
確かに血液学は医科学の最先端領域だし、厳しい病気が多いのも確かですが、人間愛とともに、探究心をもって学ぶ姿勢をもったひとなら、血液内科の医師・研究者はきっと天職になると思います。
以下のような医学生・研修医は、とくに血液内科が向いているかもしれません。
- 1.診断から治療まで患者さんを診てあげたい
- 内科には診断をしたら治療は外科に任せる領域もあります。血液内科では診断から治療まで完結します。診断に基づいて治療方針を考え、それを自分の手で実行するので、やりがいがあります。また、血液疾患では長期にわたる治療・管理が必要なことが多いので、短期の関わりではなく長期的視野で診療をおこなうことができます。
- 2.単一臓器ではなく、全身を診れる内科医師になりたい
- 内科はもともと、「なんでも内科」というように全身を診ていました。医学の進歩とともに専門的知識が必要になりましたが、「私の専門の単一臓器は大丈夫です。あとは他の医師に聞いてください」、というような局所臓器診療に終始する内科医ばかりですと、とても困ります。 血液内科には多様な患者が紹介されてきます。例えば、リンパ節腫脹は多くは血液疾患ではない原因でおきますから、私たちは必要に応じて全身性エリテマトーデスやサルコイドーシス、結核や急性HIV感染症、固形癌などの鑑別までおこなっています。 ほとんどの病気は血液検査異常を伴うこともあって、どの科に紹介したらよいのかわからないという市中内科医からの患者さんも、困って血液内科にお願いします、ということも多いです。さらに血液疾患治療は、しばしば強い副作用をもつ全身治療であるために、全身臓器に影響を与えます。 そのため、血液内科医は患者さんを総体として診療する豊富な経験を有します。一般内科学の本質が詰まった科です。
- 3.体力もしくは手先には自信がないが、根気はある
- 体力や手先の器用さより、優しさと探究心、根気強さが診療には大切です。私が准教授を務めていた米国MD Andersonがんセンター白血病科では、70歳を優に超えた血液内科医がおられます。女性医師も多いです。
腕力ではなく知性で勝負できる診療科です。
- 4.実地診療で新しい発見をしたい
- 血液内科では科学的診療をサポートするツールへのアクセスが容易なので、市中病院からでも診療を通して新しい発見ができます。 優れた指導者のもと、自分の実力をしっかりと磨き、患者さんを一例一例丁寧に診察していれば、数多くのチャンスはあります。
- 5.臨床に直結した研究をしたい
- 血液内科では血液検査などによって治療対象の細胞が入手しやすく、臨床に直結した研究がしやすいという特徴があります。分子標的治療が血液内科領域で急速に発展した理由の一つです。米国の No.1がん研究・診療施設である MD Anderson Cancer Centerなどとの国際的なコネクションがありますので、キャリア・パスに応じて留学のアクセスがあります。
- 6.臨床に携わりたいが、病理学にも興味がある
- 悪性リンパ腫などの血液疾患の病理診断技術は、病理学で大きく進歩している分野のひとつです。遺伝子やタンパク発現異常もかなりわかるようになっておりますが、精度の高い病理診断には臨床情報が重要なので、我々と病理医の接点は多いです。血液病理研究で学位をとったり病理医と一緒に症例報告したりもあります。希望者には国内外留学もサポートいたします。
- 7.臨床に携わりたいが、感染症学にも興味がある
- 内科学の歴史は、長く感染症との戦いの歴史でした。感染症の二次・三次防衛線を司る細胞〜好中球、マクロファージ、T/B/NK細胞など〜はことごとく血液細胞であり、よって血液疾患治療は、原病だけでなく感染症との戦いです。血液内科を基盤に臨床経験を積み、将来感染症医を目指すこともできます。
- 8.血液と免疫を入れ替えるダイナミックな造血幹細胞移植に携わりたい
- 造血幹細胞移植では、造血細胞だけでなく免疫細胞も置き換えます。通常の臓器移植とは一線を画する点で、CAR-T細胞の治療コンセプトの端緒ともいえます。分子標的治療の発展で、古典的化学療法とともに活躍の場面が減りつつある移植治療ですが、引き続き治療の選択肢であり続けています。 私たち血液内科医の目指す、移植医療無しに病気を治癒せしめる世界が見えはじめました。
医学知識や診療技術は、書物や文献、優れた血液内科診療医のもとで働くことで得ることができます。しかし、血液学を探求し診療を通して発見する「探究心」は、実際に枠を越えて冒険し、プロフェッショナルとして実績を積み上げてきた先人探求者のもと、一定期間診療・研究をおこない、肌で感じることで育まれます。当科では、専攻医を含め全ての医局員、OBが論文業績をもっております。学術活動はプロフェッショナル・コミュニティの最低条件です。
教授 小島研介
教授 小島研介
Explore, dream, and discover!
Mark Twain (1835–1910)
先輩からのメッセージ
渡部伸一朗先生(2020年 高知大学医学部卒業)
- 1.仕事のやりがいを感じるときは?
- 抗癌剤治療は副作用が生じて患者さんにとってとても辛いこともあります。丁寧に話を聞いたり診察すれば患者さんが楽になる方法が見つかることもあります。必ずしも深い知識や経験が必要なことばかりではなく、自分で方法を見つけて楽になったと言ってもらえればやりがいを感じます。
- 2.職場の環境はいかがですか?
- 病院の特性上、人の入れ替わりは多いですが常に雰囲気はいいと思います。
- 3.今後の目標を教えてください。
- 内科専門医の取得です。
- 4.入局希望者に向けてメッセージをお願いします。
- 血液内科では患者さんを長い経過受つ持つことが比較的多いと思います。その分、患者さんのことを深く知ることも出来ます。そのため、患者さんのことを考えて最も良いと思われる治療方針をじっくり相談しながら決めていくことも出来るかと思います。その点は血液内科の一つの特徴でしょうか。困ったことがあれば相談しやすい環境もあり働きやすいかと思います。ぜひ一緒にお仕事が出来ればと思います。
先輩からのメッセージ
津下典子先生(2021年 高知大学医学部卒業)
- 1.仕事のやりがいを感じるときは?
- リンパ腫は治療を開始すると体から触れるリンパ節が目に見えて小さくなっていくので、患者さんも治療の効果が感じられ非常に喜んでくれます。抗癌剤の治療は副作用も多く、しんどいことも多いですが患者さんと喜びを共有し、共に病気に立ち向かう意識が芽生えたときに血液内科としてやりがいを感じます。
- 2.職場の環境はいかがですか?
- 上級医の先生が病棟にいることが多いので、困った時にすぐにコンサルトできるだけでなく、今後の治療方針や治療のエビデンスなども日々の診療の中で話し合うことができます。
- 3.今後の目標を教えてください。
- 血液内科としてスキルアップしていくだけでなく、一般内科としての知識や経験なども積んでいきたいと思います。
- 4.入局希望者に向けてメッセージをお願いします。
- 私たちの1、2学年上の先生が頑張っている姿を見て、血液内科に興味をもつとともに具体的なキャリアプランを描くことができ私は入局を決めました。血液に興味がある人はもちろん、内科全般に興味があって分野を決めきれない人も血液内科に向いていると思います。興味のある方はぜひ、研修にきてください!
先輩からのメッセージ
大原慶斗先生(2021年 高知大学医学部卒業)
- 1.仕事のやりがいを感じるときは?
- 血液内科で扱う疾患は目に見えないもののことが多く、患者さんは治療を受けても自分の病気が良くなっているのか分かりにくいことがあります。そんな時に血液検査の結果などを丁寧に説明し、患者さんが今どういう状態で今後どのようなことが起きる可能性があるかといったことを伝え、わかりやすかった・納得できたと患者さんに言っていただけた時にやりがいを感じます。
- 2.職場の環境はいかがですか?
- 上級医の先生方は丁寧に指導してくださり、分からないことも相談しやすいです。またメディカルスタッフともしっかりコミュニケーションをとっておりとても働きやすいと思います。
- 3.今後の目標を教えてください。
- まずは内科専門医を取得できるように頑張りたいです。
- 4.入局希望者に向けてメッセージをお願いします。
- 現在血液内科は人が増えていっている真っ只中です。皆さんが入局してくれるとさらに裾野が広がりより多くの人が集まると思います。少しでも興味がある方は見学・研修に来てもらえると嬉しいです。皆さんとともに働けるのを楽しみにしています!
先輩からのメッセージ
津長雄太先生(2023年 高知大学医学部卒業)
- 1.仕事のやりがいを感じるときは?
- 血液内科の分野は特に治療法の進歩が日進月歩で、これまで難治とされていた疾患に対しても効果的な治療が次々に提案されています。それら進歩について行くことは大変な一方、勉強を続け知識を増やしていれば、治療法がないと諦めかけていた患者様やご家族にも希望を示すことができ、大変喜んでいただけます。そのような特色があるのが、血液内科学であると思い、日々やりがいを感じています。
- 2.職場の環境はいかがですか?
- 医局の先生方は知識が豊富かつ日常コミュニケーションがとりやすい方ばかりなので、悩んだときや自身だけでは対処が難しい問題に直面したときでも十分なサポートをしていただける職場と感じています。
- 3.今後の目標を教えてください。
- 血液内科についての知識を深め、医学全般に対して造詣を深くしていきたいと思います。
- 4.入局希望者に向けてメッセージをお願いします。
- 自らの適性がわからず苦悩されることもあると思います。そのようなときは自身の興味の一番ある分野に飛び込むと、後悔のない選択ができると思います。血液内科に興味がある方でしたら、将来の選択肢のひとつとして入局を検討いただけるとうれしく思います。
見学など随時お受けしています。
ご興味のあるかたは、血液内科学講座医局(im82@kochi-u.ac.jp)まで。
ご興味のあるかたは、血液内科学講座医局(im82@kochi-u.ac.jp)まで。