大学紹介

令和5年度 学位記授与式告辞

 本日、卒業・修了の日を迎えられた皆さん、誠におめでとうございます。

 ご家族の皆さまにも、心からお祝い申し上げます。

 特に、ここ数年は、コロナ禍に悩まされながらの日々でしたから、感慨もひとしおのことと思います。様々な思いを胸に、皆さんは、今日から、就職、進学、などそれぞれの新しい海に向かって船出していかれます。これからの時代のキャプテンは、あなたがた、若い世代であることは間違いありません。

 

 その皆さんに、未来を見据えて今から考えておいてほしいことをお話しします。ITや生成AIなどの普及により、世界中の知識社会は大きく変貌を遂げています。私たちが質問を投げかけると、生成AIはいとも簡単に、それらしい答えを用意してくれます。ここに大きな落とし穴があります。私たちが思考停止状態になってはいけないのは十分に承知していても、つい頼ってしまうのは無理もないことです。一番恐れていることは、私たちの想像力(イマジネーション)や創造力(クリエィティヴィティ)があっという間にしぼんでしまうことです。AIに頼ってばかりいると、本人は成長せずに仕事をこなすスキルだけが身につく結果になってしまいます。社会の在り方も時々刻々と変化しています。遠い国の戦争が、私たちの明日の生活に影響をもたらしたりもします。そのような社会で生き抜くためには、常に新しい知識やスキルを習得し、生きる力を身につける努力が必要です。

 

 皆さんは、一生懸命に悩み、もがき、苦しんで卒業論文や修士・博士論文などを完成させるという経験をしたはずです。その経験は特に貴重です。それこそ、大学卒業・修了の証しですし、他では得難い体験です。体験によって人間は大きく成長します。コロナ禍という大きな変化の波を乗り越えて、今日のこの日を迎えられた皆さんであれば、これからも常に自分自身を磨き続けられると信じています。ぜひ皆さんが高知大学で培った学力・研究力、そして仲間や教職員との繋がりを胸に、大きな一歩を踏み出してください。

 

 さて、高知大学は現在、『地域を支え地域を変えることができる大学』、Super Regional Universityとなることを目指して進化を続けています。そんな中、今年、創立75周年を迎えます。その記念事業の一環として、昨年11月に、高知大学校友会を創設しました。卒業生・在学生、教職員はもちろん、様々な形で高知大学に関わりを持ってくださった方全てを応援団として校友会にお迎えしたいと考えています。まずは「県民が皆『高知大学生』構想」のもと、高知県内の皆さまには、高知大学の応援団となり、校友会を盛り上げていただきたいと思っています。そのため、県内34の自治体に勤めているOBの方々に、校友会支部長になっていただき、それぞれの地域支部をまとめていただくようお願いしています。さらに、現在は、県外・海外へとその輪を広げるため、活動中です。国内外どこにいても高知大学のことを思い出していただき、ネットワークをはぐくめるよう整備を進めています。

 

 本日、卒業・修了される皆さんも、そしてご家族の皆さんもこれからは校友会のメンバーとして、是非ずっと、高知大学の一番の応援団でいてくださるよう、心からお願いします。Super Regional University、高知大学を末永く誇りに思い、共に歩んでください。

 

 私も本年3月をもって学長の任期を満了し、高知大学を卒業します。今後は、校友会のメンバーとして、皆さんと一緒に高知大学を応援したいと思います。

 

 もう一度言います。ご卒業、ご修了、おめでとう。

令和六年三月二十二日

高知大学 学長 櫻井克年

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