2026年年頭の挨拶
皆様、新年あけましておめでとうございます。2026年が希望に満ちた素晴らしい1年になりますことを心より祈念申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
医学部附属病院関係の皆様におかれては、年末年始も患者様に対して普段と変わりなくご対応いただいたこと、皆様のおかげで県民の安全安心が保たれていることに心より敬意を表するとともに、本年も県民の命を守る砦として変わらぬご尽力いただきますようよろしくお願い申し上げます。
今年は「丙午(ひのえうま)」で、エネルギーが最高潮に達して物事が力強く前進し結実するパワフルな年とされているようです。本学としても全速力で疾走していく所存です。
新年の決意を申し上げる前に、昨年2025年を少し振り返り、総括いたします。
1.ポスト創立75周年記念事業
高知大学校友会の会員数は、現在11,000名以上となっております。今後も校友会の拡充を進めていくため、学生と校友が集い交流する場として、学内に校友会ラウンジをオープンし、そこに「学長のおごり自販機」も設置いたしました。また、「室戸貫歩」といった恒例行事とのコラボレーションも始動するなど、様々な事業が進捗しています。
2.地域中核・特色ある研究大学に向けて
文部科学省の支援事業「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業」への提案にチャレンジいたしました。残念ながら不採択となってしまいましたが、提案を通じて学内研究組織における改革案が生まれました。現在は新しい研究組織「i³K(通称:アイキューブケー。正式名称:高知大学イノベーション&ソーシャルインパクト・イニシアティブ)」の本年4月からの始動に向けて万全を期しています。
3.基幹教員制度を導入した組織改革
3月末を以て従来の学系・部門を廃止予定であり、既に基幹教員制度を導入している学部組織の所属体制の構築と、事務組織を含めた組織再編が進捗しています。
4.ローカルとグローバルの融合戦略
段階的に概算要求を進めるべく、昨年文部科学省にグローカルな組織運営について提案いたしました。ローカルとグローバルの融合路線を推進するため、次世代地域創造センターとグローバル教育支援センターの改組に向け準備を進めています。
教育についても、特に地域協働学部において、ローカルとグローバルを融合した新たな教育メニューについて議論し準備をしております。
また、キャンパスの国際化と国際的多様性の推進を目指し、留学生対象の受験資格要件の一部変更や、留学生の入居も視野に入れた学生用居住施設の建設等も進捗しています。
5.その他(運営費交付金の状況等)
国立大学法人の運営費交付金について、物価高騰や円安による様々な影響も含め大変苦慮していることを、国や首長等の皆様へ頻繁に訴えかけてまいりました。結果として、補正予算での運営費交付金の増額が実現したところです。
以上の総括を踏まえながら、新年の決意を申し上げます。
1.風通しの良い大学を目指して
学生の皆さんとのコミュニケーションを一層活発化し、校友会ラウンジやギビングキャンペーン等を含め、様々な意見や要望をしっかりと受け止めていきます。その改善策の具体例として、学生寮の改修と新たな学生用居住施設の建設の組み合わせにより学生の居住空間の改善を行いたいと考えております。
また、教職員間においても、校友会ラウンジを活用するほか、教職員運動会等のイベントを恒例化することによって、コミュニケーションを活発化します。
従前より継続しているSRUキャラバンは本年も引き続き実施いたします。各学部や附属病院、附属学校園、センター施設の視察を強化し、現地での意見交換を通じて改善点を把握し必要な措置を講じてまいります。
2.研究力の強化に向けて
新規研究組織「i³K」を立ち上げ、研究特区環境の整備を目指します。そのために、当組織を実際に担う高知大学イノベーションセンターを4月を目途に発足させてまいります。この環境整備を通じ、研究者の皆様には研究シーズを社会実装に繋げていただければと考えています。
また、科学技術振興機構(JST)が推進する「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」をモデルとした、ソーシャルインパクトハブ(レジデント型教育・研究拠点)を整備していきます。現在「育成型」から「本格型」への提案に挑戦しておりますが、このプログラムを通じて四万十市に研究教育の拠点を創り、さらに地域産業クラスターを開花させていきたいと考えております。
そして、本学の研究力の発信を強化するために、「Kochi Open Innovation Days」を新たに企画いたします。物部キャンパスに建設された水産業・農業科学共創施設のこけら落としや、i³Kのキックオフシンポジウム等を通じ、地域中核・特色ある研究大学として、本学の研究シーズや共同研究に対する投資を呼び込むとともに、研究者コミュニティーの学内交流を図ってまいります。
3.教育に関する改革
学系・部門の廃止に伴う新たな体制が4月からスタートします。現在学系・部門が担っている役割が学部に移ることで学部長の負担が増す点を勘案し、副学部長を2名から3名へ変更し、学部長をサポートしていただく体制へ変更したいと考えております。なお、各学部長とは定期的に1on1ミーティングを実施することで、学部運営の現状と課題、ひいては大学全体の課題についても徹底的に意思疎通を図っていきます。
学部・大学院の改組については、地域協働学部では新学科の立ち上げや、従来の地域協働学科の中にグローバルの視点を加えたグローカルコースの設置を、農林海洋科学専攻ではフードビジネスコースの新設に向けて検討を進めております。
さらに、リカレント教育や国際的な語学教育、大学間教育連携等の推進を担う組織を設置すべく、今後の概算要求に向けブラッシュアップしていきたいと考えています。
4.大学組織としての運営について
先に申し上げたとおり、運営費交付金に関する政府の動向には変化が見られますが、大幅な運営費交付金の増額を実現していかなければならないと思っております。その一方で、大学として生き残っていくためには、自助努力が必要不可欠です。外部資金増額のため、従来以上に多くのステークホルダーの皆様に本学の取り組みについて訴え、教育や研究に対するご寄附をお願いしてまいります。加えて、学内の遊休施設を含めマネタイズが可能なものについては、民間企業等のお知恵も拝借しながら事業を具体化していきたいと考えております。
併せて、昨年DX戦略本部が主体となり実施した学内DX研修の成果を反映した事務組織、各センターの改組を来年度にかけて進めてまいります。
5.その他
第4期中期目標・中期計画が令和9年度で区切りを迎えます。それに伴い、次の第5期に向けて「高知大学グランドデザイン2040」を策定すべく、様々な有識者の皆様のお知恵を拝借しながら、現在新たに立ち上げた経営戦略会議でブラッシュアップを行っております。当会議で策定した案について大学構成員の皆様にご意見を伺う場を設け、頂いたご意見をしっかりと勘案しながら、本案を完成させてまいります。そして、このグランドデザイン2040で目標とする理想の未来像から逆算し、令和10年度からの第5期の6か年におけるアクションプランを描いていければと考えております。そういった意味で、グランドデザイン2040は未来の高知大学をどうしたいのか、大学があるべき姿を構成員の皆様と共に築いていく一つの大きな試金石になると思います。そして、それを先行して発信することによって、我々の思いを多くの皆様に普及し「それこそが未来になるのだ」という思いを共有していただく。そんな大学創りを目指していきたいと思います。
本年も重要な一年になりますので、未来に向けて皆様と共に走り抜けてまいりたいと思います。
皆様のご健康とご多幸を心より祈念申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。本年もよろしくお願いいたします。
2026年1月5日
学長 受田 浩之

