先輩起業家からのメッセージ
先輩起業家インタビュー
社会に出すか、研究に留めるか——
その問い自体が起業への第一歩
難波 卓司さん
株式会社ウルバ
代表取締役
代表取締役
プロフィール:
薬学部を卒業後、健康を守るために様々な化合物の薬理作用を解析する研究を続け、博士号を取得。高知で出会ったミナミアオノリのポテンシャルに惚れ込み、ミナミアオノリで地球規模の環境と健康の課題を解決するために2024年に株式会社ウルバを設立。
きっかけは「やらなきゃ誰もやらない」という切実さ
大学で藻の研究をしていた時、化粧品原料への応用を目指す研究費に採択されました。企業との対話を通じて初めて、自分の研究がどう社会に出ていくのかを意識するようになったのです。
「自分の研究成果がどう社会に出ていくのか、それまでは全然想像できていませんでした」
企業からの評判は厳しかった。栽培、加工、販売。海藻ビジネスには複数の壁があって、「ビジネスモデルとしては難しい」と言われました。
ですが、その時に感じたのは違和感です。
「できないと言われたけど、できない理由が技術的な問題じゃなくて、単に誰もやってないだけなんじゃないか。だったら自分でやるしかない」
社会実装したいという気持ちが、いつの間にか「自分でやるしかない」という決意に変わりました。
企業からの評判は厳しかった。栽培、加工、販売。海藻ビジネスには複数の壁があって、「ビジネスモデルとしては難しい」と言われました。
ですが、その時に感じたのは違和感です。
「できないと言われたけど、できない理由が技術的な問題じゃなくて、単に誰もやってないだけなんじゃないか。だったら自分でやるしかない」
社会実装したいという気持ちが、いつの間にか「自分でやるしかない」という決意に変わりました。
不安より先に来た「制度がわからない」という戸惑い
起業を決めても、最初にぶつかったのは実務的な問題ばかり。
「会社をどこに作るか、登記をどうするか。そういった制度的なことがさっぱりわかりませんでした」
大学の知財担当に相談すると、「実は他の先生たちも大学の施設を使って会社を登記している」という話を聞きました。その一言で道が開けました。学内の研究室を活用して登記でき、同じく大学発ベンチャーで海藻研究をしている先輩企業とも連携できたのです。
「本当にラッキーでした。一人では絶対できなかった」
大学だからこそ可能な、研究者同士のネットワークが最初のハードルを一気に下げてくれました。
「会社をどこに作るか、登記をどうするか。そういった制度的なことがさっぱりわかりませんでした」
大学の知財担当に相談すると、「実は他の先生たちも大学の施設を使って会社を登記している」という話を聞きました。その一言で道が開けました。学内の研究室を活用して登記でき、同じく大学発ベンチャーで海藻研究をしている先輩企業とも連携できたのです。
「本当にラッキーでした。一人では絶対できなかった」
大学だからこそ可能な、研究者同士のネットワークが最初のハードルを一気に下げてくれました。

会社登記している学内研究施設

化粧品開発などに使う乾燥機

海藻に栄養を与えて育てる
学び続けることが、事業を支える
起業直前、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のディープテック向けプログラムに採択され、1年間ビジネスの基礎を学びました。ベンチャーとは何か、知財とは何か。そういう基本的なことを1年かけて勉強できたのは、本当に大きかった。
起業後も、中小機構によるメンタリング(月1回)や、INPIT(知財支援)を活用し続けています。こうした国の無料サービスは、ベンチャーにとって本当に貴重です。
起業後も、中小機構によるメンタリング(月1回)や、INPIT(知財支援)を活用し続けています。こうした国の無料サービスは、ベンチャーにとって本当に貴重です。
製品はまだ、でも社会との接点は始まった
自社製品はまだ開発段階。上市まで数年かかる見込みです。
「自分の研究開発スキルを活かして、企業さんとの共同研究を受けています。それで対価をもらい、会社を回しながら、同時に製品開発も進めている」
現在は従業員は自分ひとり。給料も取っていません。だからこそ、固定費を最小限に抑えることができ、無理のない形で事業を継続できています。大学の教員という本務も続けています。平日は大学のメイン業務に、夜間や土日の時間を少し使って、無理なく続けられるよう、事業に充てています。
「自分の研究開発スキルを活かして、企業さんとの共同研究を受けています。それで対価をもらい、会社を回しながら、同時に製品開発も進めている」
現在は従業員は自分ひとり。給料も取っていません。だからこそ、固定費を最小限に抑えることができ、無理のない形で事業を継続できています。大学の教員という本務も続けています。平日は大学のメイン業務に、夜間や土日の時間を少し使って、無理なく続けられるよう、事業に充てています。

大学施設で一部海藻タンクを利用

海藻育成中

成長した海藻は商品開発に向けて利用
起業を悩む研究者へのメッセージ
「迷っているなら、
やった方がいい。」
やった方がいい。」
自分の技術が世界に通用するか、社会で求められているか。そんなことは、やってみなきゃわかりません。研究室の中でいくら考えても見えてこない。外に出て、市場や企業の声を聞いて初めて、その価値がわかります。
また、経営が得意でない場合も大丈夫です。
経営者の方とマッチングする制度が国にはあります。経営は任せて、自分は研究に集中する。そういう形もある。まずは『自分の技術を社会に出してみたい』という気持ちを行動に移すこと。それが一番大事です。
そして、最初のステップは意外と簡単です。
大学には知財相談窓口があり、起業向けの講座もある。まずは『起業したい』と周りに伝えてみる。そしたら周りの人が助けてくれます。そこからが始まりです。
また、経営が得意でない場合も大丈夫です。
経営者の方とマッチングする制度が国にはあります。経営は任せて、自分は研究に集中する。そういう形もある。まずは『自分の技術を社会に出してみたい』という気持ちを行動に移すこと。それが一番大事です。
そして、最初のステップは意外と簡単です。
大学には知財相談窓口があり、起業向けの講座もある。まずは『起業したい』と周りに伝えてみる。そしたら周りの人が助けてくれます。そこからが始まりです。
最後に
『海藻で地球を救う』
それが理想です。
化粧品はあくまで通過点。海藻はCO₂を吸収し、石油に代わるサステナブルな資源になりうる。
高く売れる化粧品から始めて、そこで事業として回り始めたら、肥料や飼料などへと展開していく。そういう順番を考えています。安くて大量に作る事業は、その後でいい。
起業は、自分の成功のためではなく、社会への貢献を実現する手段。その想いが、困難に直面しても前に進む力になっているのです。
高く売れる化粧品から始めて、そこで事業として回り始めたら、肥料や飼料などへと展開していく。そういう順番を考えています。安くて大量に作る事業は、その後でいい。
起業は、自分の成功のためではなく、社会への貢献を実現する手段。その想いが、困難に直面しても前に進む力になっているのです。
企業情報

株式会社ウルバ
- 住所:
- 〒781-1164 高知県土佐市宇佐町井尻194
- 代表者:
- 難波 卓司
- サイト:
- https://www.ulva.co.jp/about/