【えんむすび隊】「春のさきがけ『桃の節句』ひな人形の飾りつけをお手伝いしよう!」in佐川町

2019年3月11日
 2月21日、木曜日。えんむすび隊10名が高知県中西部の佐川町上町地区にお伺いしました。ここでは毎年「さかわ・酒蔵の道ひなまつり」が開催されており、今年で11回目を迎えます。
 えんむすび隊は、4年前から参加させていただいており、今年も豪華な七段飾りのひな人形などを飾るお手伝いをさせていただきます。
 
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 佐川町上町地区は、江戸時代の土佐藩で家老を務めた人物の城下町として発展し、今でも商家の名残が随所に見受けられる昔ながらの町並みが残っています。
 この風景と共にひな人形を楽しんでもらおうと、さかわ観光協会が毎年このイベントを開催されています。展示されるひな人形は歴史のあるものばかりで、古いものでは江戸時代のものが飾られているとのことです。なお、今回展示されたひな人形たちは、後日観光協会の方が数えたところなんと500体以上になったそうです。
 
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 学生たちは観光協会をはじめ、NPO法人「佐川くろがねの会」のみなさんとご挨拶を行い、さっそく班に分かれて作業に取り掛かります。
 
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 まずは同地区を象徴する建物「名教館(めいこうかん)」「青山文庫」にて飾りつけを行います。土台を組み立て、人形と小物を並べていきますが、21世紀の現代で大掛かりな七段飾りに親しんでいる学生は少なく、また今回は留学生も多かったことからお手本の写真とのにらめっこが終わりません。小物を逆さまに置いたり、刀と矢を左右逆に持たせたりと試行錯誤を繰り返して、やっと完成させます。
 その甲斐あってか、学生たちはひな人形を一組完成させると、その後はどんどん飾りつけのスピードが速くなっていきました。
 
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 段飾りの飾りつけがひと段落すると、今度は外の準備です。通りに沿って竹筒を取り付けていきます。この竹筒には訪れる人たちに楽しんでもらうため、季節の花を飾る予定とのことです。
 
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 30分ほどで通り全体の準備を整えたのち、地域の方々が作ってくださったお弁当をお昼ご飯にいただきました。
 
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 午後からはひな人形の飾りつけを完成させ、酒蔵「司牡丹」の見学をさせていただきました。
 品質保持のために醸造タンクの内側をコーティングしていることや、またタンクがあまりに大きいため、一つ一つの容量が異なることなど、酒造りの舞台裏のお話をたくさん聞かせていただきます。学生たちは時折メモを取りながら、初めて入る酒蔵の中の様子に目を見張っていました。
 
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 今回、ひな人形の飾りつけや酒蔵見学を通して、学生たちは地域活性化の在り方や、日本の伝統文化について学んだようです。とりわけ、ひな人形については留学生にとって初めて出会う日本文化であり、興味が尽きないものであった反面、日本人学生にとっても「日本文化を説明する」という機会にもなり、自文化の理解にもなったようです。また、休憩時間に「佐川くろがねの会」のみなさまに地域を案内していただいたことで、もっと佐川について知りたい!という気持ちが生まれたとの感想も寄せられました。
 お世話になりましたさかわ観光協会、佐川くろがねの会のみなさま、この度は素敵なご縁を結ばせていただきましてありがとうございました。
 
 以下に、参加した学生たちの声を紹介します。
 
●理工学部 2年 男性
 私は大学のサークルの中の佐川町の隣の日高村を対象とした地域の活性化を目的とした学生団体に所属していて、その活動の中で日高村の酒蔵ホールに展示するためのひな人形を作ったことがあったので、今回飾り付けを行った人形やひな段を作るという活動に参加したことで、高知県内の地域活性化に主体的に取り組むことが出来ました。3月1~3日では仁淀川ひな回廊のイベントも本番を迎えると思うので、自分の作ったひな人形をたくさんの人に見てもらえるように情報の発信を頑張っていきたいと思います。また、この活動を通じて、仁淀川流域の市町村がより盛り上がってもらえるとうれしいです。ぜひ仁淀川流域で佐川町の隣にある日高村の酒蔵ホールに展示されている人形も見に来て欲しいと思います。
 
●人文学部 4年 女性
 今回、留学生の方が多く参加されていて、「何故日本人は三月三日にひな人形を飾るんですか?」と聞かれたときに私もあまりきちんと理解できてなかったので、返答に困りました。その際、地域の方が「一番高貴な女性と男性の並んでいる姿やたくさんの道具を飾って自分たちもそのような方にあやかって良い所へお嫁に行けるようにと祈願したんです。昔は女の人の結婚は出世にもなっとったから」と説明されていて私もなるほどと思いました。
 昼食の際には、佐川の街並や歴史、花の名前など、自分の知らないことをたくさん教えていただいて、とてもためになりました。また、年齢も国籍も違う多様な人たちと触れ合えて、ひな人形を飾るという一つの経験が出来て、日本の文化についても地域活性についても多くのことを学べました。参加出来てよかったです。
 
●農林海洋科学部 1年 女性
 今回の活動で佐川のことは何も知らなくて、特に有名なものもないと思っていたけれど、良い所がたくさんある町だと気づいた。市内からは離れていて正直さびれていると思っていた佐川町だが、行ってみるとお店が並び、町並みも素敵で、大きな酒蔵の壁が白くてきれいで、18年間市内に住んでいたけど、こっちの方がいいなと思う町だった。
 また、地域の人々のあたたかさもすごく感じた1日だったと思う。私は元々あまり話しが得意ではなくて、人に話しかけることも、自分から動くことも苦手だったけれど、地域の人々が話しかけてくれたおかげで1日充実してすごすことができた。
 加えて、おひなさまの飾り付けでは日本の昔からの文化に触れることができた。私の家では小さいころはおひなさまも飾っていたが、最近ではあまり飾らなくなった。そのため飾るのにどれだけの手間がかかるのかは知らなかったのだが、実際飾り付けをしてみると配置や小道具など気をつける点がたくさんあり、祖父母や親はこんな手間をかけて私のために準備していてくれたのだな、と温かい気持ちになった。今、日本ではおひなさまを飾る文化は離れていっているように思うが、佐川のような取り組みのおかげでおひなさまも次の時代で残っていけるのだと思う。ぜひ今後も続けてほしい。
 朝は少し早くて大変だったけど、起きた甲斐があったなと思う。また、自由時間で行きたい所には行けなかったけど、プライベートで行きたい場所が見つけられたので良かった。二回目プライベートで来たいなと思わせるようなうまい自由時間の配分というか、意図してなくても来たいと思ってしまったので、近々また来ようと思う。楽しかった。
 
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