◆自然科学系農学部門の市栄智明教授らの研究成果が、国際誌『Methods in Ecology and Evolution』に掲載されました

2022年3月9日

 自然科学系農学部門の市栄智明教授らの研究成果が、国際誌『Methods in Ecology and Evolution』に掲載され、令和4年2月15日に電子版が公開されました。

 

 一年を通して高温多雨で季節性の無い熱帯雨林では樹木は年中成長を続けるため明瞭な年輪ができず、これまで長期的な成長量を特定することは困難とされてきました。

 このたび、本研究グループは、冷戦時代の大気圏核実験による大気中の放射性炭素同位体(14C)濃度の経年変化を利用し、マレーシアの熱帯雨林の樹木の材に含まれる14C濃度から過去の成長量を高精度に特定する新しい技術の確立に成功しました。また、マレーシアの熱帯雨林では、過去50年間で大気の乾燥が進み、それに伴って樹木は気孔を閉じ気味にして水利用効率を著しく増加させていることを明らかにしました。

 本研究成果により熱帯樹木の長期的な成長量を多地点、多樹種、他個体で評価することが可能となり、今後、過去の環境変動に対する熱帯樹木の変化や、気候変動状況下における新たな森林管理手法の開発への活用が期待されます。

 

プレスリリース_20220309.pdf(610KB)

 

<論文名>Verification of the accuracy of the recent 50 years of tree growth and long-term change in intrinsic water-use efficiency using xylem Δ14C and δ13C in trees in an aseasonal tropical rainforest

<和 訳>非季節性熱帯雨林樹木における材のΔ14Cとδ13Cを用いた過去50年間の樹木の成長量の精度検証と水利用効率の長期的変化

 

 論文はこちらに掲載されています。

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