◆医学部5年生畑優里佳さんらの研究グループの研究成果が国際誌『Biochemical and Biophysical Research Communications』に掲載されました

2022年5月2日

 医学部医学科5年生畑優里佳さん(先端医療学コース・創薬基盤推進研究班所属)、医学部薬理学講座清水孝洋准教授、齊藤源顕教授らの研究グループの研究成果が国際誌『Biochemical and Biophysical Research Communications』に掲載され、2022年3月25日に電子版が公開されました。

 排尿機能障害は患者の生活の質を著しく低下させるもので、今後の社会の高齢化に伴い、患者数の増加が予想されます。また、排尿機能障害患者の中には一定数の薬物療法が奏功しない患者が存在しており、新たな創薬標的の創出が望まれています。

 本研究では「ストレスがかかって緊張するとトイレが近くなる」という日常的に経験する事象をヒントに、ストレスに対する生体応答に重要な役割を担うコルチコトロピン放出因子(CRF)に着目しました。CRFは通常、ストレスをかけた場合に増加し、ストレスを軽減させる為の抗ストレス反応を起こすことが明らかになっています。そこでストレス負荷により増加したCRFの代わりとして、外部からCRFを実験動物へ投与し、ストレスがかかった条件を再現した所、実験動物の排尿がCRF投与により促進されることがわかりました。さらに受容体拮抗薬を用いた実験から、この促進に興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸が関与することを実験的に明らかにしました。本成果から、今後脳内CRFが排尿障害の新たな創薬標的となることが期待されます。

 

<論文名> Stimulation of brain corticotropin-releasing factor receptor type1 facilitates the rat micturition via brain glutamatergic receptors

<和 訳> 脳内コルチコトロピン受容体タイプ1の刺激は脳内グルタミン酸受容体を介してラットの排尿を促進する

医学部医学科薬理学講座のホームページはこちらから

本論文のURL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35366544/

●このページについてのお問合せは...

お問合せフォームへ

掲載されている内容について、不明点や疑問に感じたことなどございましたらお気軽にお問合せください。

インフォメーション

インフォメーション
AED設置場所