大学院農林海洋科学専攻修士課程１年生の野嶋啓史さんが、令和５年９月９日に香川大学で開催された第34回日本木材学会中国四国支部大会において、研究発表賞を受賞しました。研究発表賞は、若手の口頭発表者の中で最も優れた発表者に贈られるものです。

　野嶋さんは、『フォトフェントン反応を活用した紙おむつリサイクルーリサイクルパルプの性質に影響－』の題目で、フォトフェントン反応（※１）処置後のパルプの性質及びアップサイクルへの展開について発表を行いました。また、フォトフェントン反応条件を検討することにより、パルプの重合度（※２）の低下を抑えられることやレーヨン調製への影響を少なくする処理条件を明らかにしました。これらの成果が紙おむつリサイクルシステム実用化への可能性を高めた点が評価され、今回の受賞に繋がりました。

（※１）フォトフェントン反応…過酸化水素水と硫酸第一鉄の鉄イオンの混合により、鉄イオンが過酸化水素水の分解触媒として働くことで、ヒドロキシルラジカルと呼ばれる活性分子が発生する反応のこと。ヒドロキシルラジカルは、酸化作用がとても強く、この作用が殺菌・除菌・脱臭などに効果を発揮すると考えられている。

（※２）重合度…高分子材料を構成する基本構造単位の結合数のこと。