◆医学部附属光線医療センター等の国際共同研究の成果が、光線力学に関する科学誌『Photodiagnosis and Photodynamic Therapy』に掲載されました

2023年9月22日

マンゴスチンががんに対する光線力学治療の有効性を高めることを明らかに

 

 医学部附属光線医療センター、カセサート大学KAPI及び東京工業大学の国際共同研究の成果を示した論文が、光線力学に関するオランダの科学誌『Photodiagnosis and Photodynamic Therapy』に掲載され、令和5年9月9日に電子版が公開されました。

 光線力学治療(ALA-PDT)は、特にその高い特異性と副作用の少なさから、従来のがん治療に代わる有望な治療法として注目されています。アミノ酸の一種である5-アミノレブリン酸(5-ALA)を投与すると、ミトコンドリア内で代謝され、蛍光物質であるプロトポルフィリンIX(PpIX)に変換・蓄積されます。PpIXはがん細胞に多く集積する特徴があり、PpIX蓄積量の多いがん細胞は、より高いALA-PDTの治療効果を得ることができます。しかし、一部のがん細胞では、PpIXの排出プロモーターであるABCG2の高発現により、ALA-PDTの有効性が低下しています。

 本研究では、5-ALAと同時にマンゴスチンを添加することにより、ABCG2の活性が低下し、PpIXの排出減少による蓄積増加が示されました。このことから、マンゴスチンがALA-PDTの治療効果を増強させることが期待されます。

 

 

<論文名> Mangostin enhances efficacy of aminolevulinic acid-photodynamic therapy against cancer through inhibition of ABCG2 activity

<和 訳> マンゴスチンは、ABCG2活性の阻害を通じて癌に対するアミノレブリン酸を用いた光線力学治療の有効性を高める

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