◆総合科学系複合領域科学部門の西尾嘉朗准教授らの研究グループによる論文が「Progress in Earth and Planetary Science」に掲載されました

2024年6月25日

大地震発生前に二酸化炭素が帯水層に放出されていた可能性を支持する科学的成果を発表

 

 総合科学系複合領域科学部門の西尾嘉朗准教授らの研究グループによる論文が「Progress in Earth and Planetary Science」に掲載されました。

 2018年に発生した北海道胆振東部地震の数ヶ月前から震源付近の地下水のナトリウム(Na)/カリウム(K)比が低下していたことを発見しました。一方、水と共に動く元素指標には有意な変化は見られなかったことから、Na /K比の低下は深部由来の水によるものではないことが分かりました。 

 この発見は、Sano et al.(2020)(※1)で炭素の同位体比の変化から提案されていた2018年の北海道胆振東部地震の数ヶ月前から二酸化炭素が帯水層に放出されていた可能性を支持するものであり、大地震の準備段階における地殻流体の挙動を理解する上でも極めて重要な科学的成果です。

 本成果は、令和6年6月13日、日本地球惑星科学連合が運営する、オンライン科学誌「Progress in Earth and Planetary Science」にて公開されました。

 

 プレスリリース「2018年北海道胆振東部地震前後の地下水の地球化学的変動.pdf(429KB)

 

 ※1 市販されているボトル入りのミネラルウォーターを用いて植苗の地下水の炭素同位体比や溶存炭素濃度が2018年

 北海道胆振東部地震の前に上昇していたことを報告した論文。

  Sano et al. (2020) Front Earth Sci 8:611010.

 

【論文情報】
 <論文名>Geofluid behavior prior to the 2018 Hokkaido Eastern Iburi earthquake:

      insights from groundwater geochemistry

 掲載URL: http://dx.doi.org/10.1186/s40645-024-00635-w

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