高知大学医学部附属病院歯科口腔外科

高知インプラントサポートセンター

高知インプラントサポートセンター
Kochi Implant Support Center

矯正用インプラントとは

 矯正用インプラント(インプラントアンカー)とは、矯正歯科用につくられたインプラントを顎の骨に埋め込み、固定源として使用する事により、今までの矯正治療では難しかった歯の動きを可能とし、治療期間の短縮することができます。

 また外科手術(顎を切る等)が必要な患者様の治療も可能となり、非抜歯 矯正の可能性の拡大、患者様の治療協力の軽減等が行える治療法です。

 通常の矯正の場合、自分の歯を支点にして他の歯を動かしていきます。しかし、この場合、綱引きの原理で動かしたくない歯まで動いてしまう場合があります。

 インプラント矯正の場合、骨に固定されたスクリューやプレートを支点に、動かしたい歯を引っ張ると、その歯だけがスムーズに移動してくれます。

 矯正用のインプラントは主に「スクリュータイプ」と「プレートタイプ」に分けることができます。

スクリュータイプの矯正用インプラント

 主に歯列全体の大きな動きを必要とせず、奥歯の固定力を高める目的で使用されます。

 手術は5分程度で簡単に行えますが、埋め込む部位によっては医師の技量を必要とし、又、部位によってはインプラントを埋め込む位置に制限がかかることもあります。

 インプラントが脱落する確率は2〜40%です。この差分はインプラントを埋め込む部位によって異なるもので、技量の有る医師により行われた場合であっても5%程度はインプラントが脱落するとされています。

プレートタイプの矯正用インプラント

 主に歯列全体を大きく動かしたい場合に使用されるインプラントです。

 顎骨部分にプレートをネジで止めて、インプラントの一部を口の中に露出するよう出しておき、矯正治療を行います。

 この種類のインプラントは固定が十分にされることから立体的に歯の動きを調整する事が出来る他、矯正治療で加えられる力(矯正力)も大きく力を加えることが可能となります。

 埋め込みにかかる時間はプレート1枚で約20分と短時間で簡単な手術になるのですが、術式がちょっと面倒なため、熟練した医師や設備の整った施設で手術を受けなければならないだけでなく、手術後に腫れと痛みを伴うというデメリットがあります。

麻酔について

 一般的には歯を抜く時と同様の局所麻酔下で行われます。

 恐怖心の強い方や御希望によっては静脈内鎮静法を行う事があります。又、通常、入院等の必要はありません。

 術後の痛みや腫れ 個人差や選ぶインプラントにもよりますが、プレートタイプは、親知らずを抜いた程度の腫れや痛みがありますが、スクリュータイプは、ほとんど痛みや腫れはありません。

 術後は2〜3日、長い場合でも1週間位で落ち着きます。

術後の埋入部位

 通常では、埋入部位が外から見てわかる事はありません。

 又、矯正用のインプラントは矯正治療上、必要がなくなり次第除去し、その跡が後々残る事はありません。

日常生活

 ほとんど問題ありません。

 異物感もほとんどなく、すぐに慣れてしまいます。

 しかし、インプラント埋入部位を不衛生にすると感染により歯茎の腫れ等がおこる場合がありますので、日頃より衛生管理に気をつける必要があります。

年齢について

 通常、骨がしっかりする16歳以降が適しています。