整形外科について

GREETINGご挨拶

 当講座は昭和56年に高知医科大学整形外科学講座として開講しました。 初代山本博司教授が6名の教室員とともに立ち上げた小さな教室が、平成15年には2代目谷俊一教授、平成26年に3代目の私へと引き継がれ、いまでは同門会員140名を数える教室に発展を遂げております。 開講当初から「創意と情熱」が教室のモットーであり、診療、研究、教育など様々な場面で今も脈々と受け継がれています。
 私は教授就任時に教室運営の3本柱として「挑戦」「実践」「育成」を掲げました。 具体的には①「挑戦」とは、高知大学ならではの独創的でかつ次世代整形外科医療を変える医学研究への「挑戦」、 ②「実践」とは、大学病院でしか受けられない最先端整形外科医療を提供し、かつ県民ニーズに応える整形外科医療体制の構築、特に地域医療の積極的かつ継続的な「実践」、 ③「育成」とは、良医を育て高知県の整形外科医療を担う後進の育成とともに各分野で国際的に活躍できるリーダーとなる人材の育成を含めた「育成」です。
 教室はこの7年間に着実に成長を続けています。臨床に関しては、大学附属病院では整形外科全ての領域において最先端医療を提供できる体制が整いました。 また、地域医療の実践は本学の使命の一つですが、地域住民の患者さんがその居住地域で特殊な治療を除くほとんどの整形外科医療を受けられる体制を支援してきました。 各二次医療機関の基幹病院は活性化し、若手医師が勤務を希望する好循環も生まれています。 研究に関しては、大学の特権のひとつが研究に携われることですので、若手医師には研究の重要性を理解してもらい、新しい発見をする喜びを経験してもらえるよう努力しております。 また、教室スタッフの多くが海外留学を経験し、国際的に通用する質の高い研究を展開しています。研究成果は国内外で高く評価され、各専門分野をリードする教室員も育っています。 人材育成に関しては、本学の卒業生たちがわれわれの仲間になって高知県の整形外科医療に参加してくれることを願って、整形外科、高知県、そして教室の魅力を伝えることに注力しています。 毎年4月になるとフレッシュマンが仲間に加わってくれており、教室の発展の原動力ともいえます。
 これまでに教室を支えてくださった皆様に感謝申し上げるとともに、今後も教室員とともに「挑戦」「実践」「育成」に尽力して参りますので、変わらぬご支援をお願い申し上げます。

令和2年10月28日
高知大学医学部整形外科教授 池内昌彦

ABOUT整形外科とは

整形外科学は、運動器の健康を担う臨床医学です。 運動器とは、骨、関節、筋肉、神経などの総称であり、からだの動きを担当する器官のことです。運動器の障害は、生命に直接的に関係しませんが、生活の質に直結する非常に重要な問題です。 超高齢化社会を迎えた日本また高知県において、健康寿命の延伸が喫緊の課題です。高齢者は、運動器の障害によって寝たきりや要介護になることが多く、 整形外科医が高齢者医療において中心的役割を果たさなければ健康寿命の問題を解決することはできません。 また、国民・県民の健康意識の向上とともにスポーツを楽しむ人が増えています。
 整形外科は外科と名前がついていますが、手術をするだけではなく、リハビリテーションや投薬、装具などの治療法を駆使して一貫した運動器疾患の治療にあたります。 歩けなくなった患者さんが、治療によって歩けるようになったとき、他では味わえない達成感を得られます。是非、学生や研修医の皆様には整形外科の魅力を感じていただきたいと思います。

高知大学医学部整形外科教授 池内昌彦