ホーム > 診療案内 > 強度変調放射線治療

強度変調放射線治療(IMRT)について

強度変調放射線照射(IMRT)とは?

 Intensity Modulated Radiation Therapy(IMRT)とは様々な方向から病巣に狙いを定めて集中的に放射線をかる「3次元照射」の一種で、腫瘍に対する線量を増加させて抗腫瘍効果を増大させる一方、正常組織への線量を極力減少させて副作用の発現を抑える照射技術です。従来の3次元照射では腫瘍も正常組織も含めて照射野内の線量分布をなるべく均一にするように計画を行うものですが、IMRTでは同一照射野内の線量分布に強弱をつけ、最終的に3次元的な標的に与える線量分布を最適なものに調整して照射することが特徴です。これによって従来の方法では困難であった重要臓器に囲まれた腫瘍に対する理想的な線量分布の作成が可能となりました。
 最近では回転しながらIMRTを行うVMAT(Volumetric Modulated Arc Therapy)が主流になり、これによって通常のIMRTよりも短時間で照射可能で、より良好な線量分布を作成することが可能となっています。
【前立腺がんのIMRT線量分布】前立腺への線量を保ちつつ、直腸線量を軽減可能(↑)
【進行肺がんのVMAT線量分布】脊髄を効率的に避けて、線量低減が可能に(↑)

どのような疾患が対象となるのですか?

呼吸性移動の影響をほとんど受けない頭頸部がん、前立腺がん、脳腫瘍をはじめ、肺がんや子宮頸がんなどにも積極的に適応しています。基本的に、保険診療の対象となっている限局性の固形悪性腫瘍を対象としてます。

診療の特徴