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土佐の魚
高知県の川や海には何種ぐらいの魚がいるのでしょうか?


イナズマヒカリイシモチ Siphamia tubulata (Weber),
2000年8月に高知県大月町柏島で撮影.

遠藤広光. 2005. 土佐の魚と分類学 〜魚類標本のデータベース化とバーチャル自然史博物館の設立準備〜.Pp. 80-89. 海洋高知の可能性を探る.高知大学創立50周年記念事業委員会編.高知新聞企業 (2005/07/12)

現在の集計では,これまでに高知県で採集または確認された魚類は1,913 種です(2006/04/03)
高知県産魚類目録(全種掲載済み,整備中)
高知大学一日公開:「土佐の魚を調べる」(2001/11/03)「黒潮の魚の多様性」(2003/11/02)



 日本からはどれぐらいの魚の種が知られているのでしょうか? 2000年12月に出版された「日本産魚類検索 全種の同定」第2版(中坊徹次編,2000)には,352科3,887種が掲載されました(現在はおよそ3,900種).現在も魚類の分類学的研究の進行と共に,新種や初記録種が続々と追加されています.この種の多さは,日本列島が南北に約3,000キロと長く,寒流や暖流の影響を受けていることに因ります.流氷の海からサンゴの海まで,河川や湖の淡水域,河口部の汽水域,沿岸から沖合い,大陸棚から深海底までと,魚類の生息環境は極めて多様性に富んでいます.
 太平洋に面した高知県は,その沿岸が黒潮の影響を強く受け,幡多郡の大月町沿岸や宿毛市の沖の島周辺では,サンゴ類が良く発達しています.また,土佐湾はすり鉢上に深くなり,南海トラフの水深4,000メートルを越える深海底へとつながっています.淡水域はといえば,豊かな自然が残る山間部から流れ出る大小の河川があります.高知県の魚類相は,私たちの研究室の初代教授である蒲原稔治先生が,1931年に研究をはじめ,その後1964年に総まとめをして1,233種をリストアップしました.最近行われた下記の文献とBSKU所蔵標本,柏島などの沿岸で撮影された水中写真の確認から,高知県で記録された魚類を集計したところ,およそ1,900種であることが判明しました(2003年9月13日現在).この数字は,日本で記録された魚類のちょうど半数近くという驚くべきものです.今後も新種の記載や初記録の報告が進めば,高知県で記録される種数は確実に増えるでしょう.


高知県の魚類相に関するおもな研究
1)蒲原稔治(1950)「土佐および紀州の魚類」*959 種
2)Kamohara, T. (1964)「Revised catalogue of fishes of Kochi Prefecture, Japan」*1,233 種(淡水魚を含む)

3)岡村ほか(1982)「九州パラオ海嶺および土佐湾の魚類」* 水産資源保護協会
4)平田ほか (1996)「高知県柏島周辺の魚類相」*143科884種(分類学的検討を要するおよそ100種を除く)

5)Shinohara et al. (2001)「Annotated checklist of the deepwater fishes from Tosa Bay, Japan」*140科599種
6)中坊ほか (2001)「以布利 黒潮の魚 ジンベエザメからマンボウまで」*136科567種

   (潜水観察による66科253種と大敷網や磯採集,釣りによる130科434種の合計)
7)岡村ほか(2002)「高知県レッドデータブック」*県内河川の淡水魚の生息状況調査 216種(汽水域を含む)


高知県の魚に関する一般向けの本
1)「仁淀川漁師秘伝 弥太さん自慢ばなし」かくまつとむ・宮崎弥太郎 2001年 小学館
2)「川に親しむ」 松浦秀俊 著 2000年 岩波ジュニア新書
3)「高知の魚名集」岡林正十郎 著・発行 1986年(昭和61年)
4)「図鑑&料理 土佐魚のすべて」岡村 收(図鑑監修)・宮川逸雄(料理監修) 1983年 高知新聞社

5)「土佐の釣魚とその生態」蒲原稔治 著 1968年(昭和43年) 高知新聞社

(遠藤広光)

Copyright (C) Laboratory of Marine Biology, Kochi Univ.