From the Director of General Education
To Students Enrolled in the General Education Program
Introduction
共通教育主管 福間 慶明
高知大学で学ぶ科目は,大きく分けて「専門科目」と「共通教育科目」に分類されます。専門科目は,将来の職業や研究に直結する知識や技術を身につけるためのものです。自分の専門分野を深く理解し,専門性を高めることは,大学教育の重要な目的の一つです。しかし,専門科目だけに偏ってしまうことは,これからの社会を生き抜くうえで大きなリスクとなり得ます。それは,現代社会は変化が非常に激しく,予測が難しい時代だからです。
AIやデジタル技術の進化,グローバル化,環境問題,価値観の多様化など,私たちを取り巻く状況は日々変化しています。こうした変化に対応するために,今後必要となるのは,「今起きていることを正しく把握し,何をすべきかを考え,決断する力」であると思います。
この力は,専門分野の学びだけでは身につけることはできません。むしろ,異なる分野の知識や視点に触れることで養われます。哲学や歴史,社会学,自然科学,情報リテラシー,異文化理解,学際的分野など,共通教育科目はそのための貴重な場です。多様な学びを通じて,自分の専門を相対化し,広い視野で物事を考える力を育てることができます。例えば,エンジニアを目指す学生が倫理学を学ぶことで,技術の社会的影響を考える視点を得ることができますし,経済学を専門とする学生が環境学を学ぶことで,持続可能な社会の構築に関する理解を深めることができます。
さらに重要となるのは,こうした共通教育での学びを1年生や2年生のうちだけで終わらせないことです。3年生や4年生になっても,専門以外の分野に触れる機会を持ち続けることが大切です。学びの幅を広げることは,専門性を深めるうえでもとても役立ちますし,社会に出てから直面する予測不能な課題に対応する力を養うことにもつながります。
また,今後は大学を卒業した後も学び続けることがますます必要な時代になると想定されます。その理由は,技術や社会の変化が激しいことから,大学で学んだ知識がすぐに古くなってしまうことなどが生じるため,知識などのアップデートがつねに必要となるからです。だからこそ,社会に出るまでに「学び続ける習慣」を身につけておくことがとても大切となります。大学での学びは,単に単位を取るためだけのものではありません。自己を成長させるための大切な機会であり,学びを生活の一部にするための準備期間でもあります。その際,共通教育は今後につながる「学びのエンジン」をつくる役割も果たしてくれます。
以上のことから,共通教育は単なる「一般教養」ではなく,未来を切り拓くための基盤であるということがお分かりになると思います。専門知識と幅広い教養を兼ね備えた人材こそが,これからの社会で求められます。共通教育での学びを通じて,是非とも自分の可能性を広げる選択をしてください。その際,「単位の取りやすさ」ではなく,「学びたいこと」や「学ぶべきこと」を意識して科目を選び,共通教育と専門教育の両方をバランスよく学びましょう。