シャーデンフロイデ研究への新たなアプローチ:現実場面での会話に着目
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人文社会科学部の渡邊ひとみ准教授の研究成果が学術誌「International Journal of Adolescence and Youth」に掲載され、2026年8月17日に電子版が公開されました。
シャーデンフロイデの表出者に対する性格印象評価
―話し手と聴き手の視点から―
シャーデンフロイデ(Schadenfreude:他者の不幸に対する喜び)研究は、主として「仮想シナリオ(仮想人物の不幸)」を提示する手法に頼ってきましたが、このような研究から得られた知見が現実場面での私たちの感情・思考・行動を適切に反映しているとは限りません。また、シャーデンフロイデは社会的に望ましくない感情であるため、公の場では表出が抑制されますが、「一対一での親密な対人関係」の中でこの感情がどのように表出されるのか、また聴き手が話し手に対してどのような印象を抱くのかは十分に検討されていません。
そこで本研究では、日本全国の成人(18-29歳)を対象とし、(1)現実場面において共有されやすいシャーデンフロイデの特徴、(2)シャーデンフロイデの話し手に対する印象、の2点を「話し手」と「聴き手」の両立場から検討しました。その結果、(a)第三者(不幸の経験者)に対する嫌悪感情に根付いたシャーデンフロイデが身近な人(友人、家族、同僚など)と共有されやすいこと、(b)シャーデンフロイデの話し手がとりわけ好印象をもたれることはないが、否定的な性格印象評価がなされるわけでもないこと(ごくわずかに「活動的な」「生き生きとした」「堂々とした」といった性格評価に傾く)、が明らかとなりました。
本研究知見により、青年期/成人形成期における対人関係や道徳的判断のメカニズム、またいじめ構造の理解など、幅広い分野の研究発展が期待されます。
【論文情報】
〈タイトル〉 Personality impressions of people who express schadenfreude: perspectives of the expresser and the listener
〈著者〉 Hitomi WATANABE
〈雑誌名〉 International Journal of Adolescence and Youth