クタウイルスDNA検出が中咽頭扁平上皮癌の予後予測指標となる可能性を示唆

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医学部微生物学講座の橋田裕美子助教および大畑雅典名誉教授らの研究グループの研究成果がウイルス学の国際誌『Virology Journal』に掲載され、2026年10月14日に電子版が公開されました。

クタウイルスは、2016年に発見されたヒトパルボウイルスの一種です。本研究グループはこれまでに、クタウイルスが不顕性感染の状態で皮膚に常在し得ること(Virology Journal 20:69, 2023)、さらに皮膚T細胞リンパ腫、特に菌状息肉症との関連や、クタウイルス陽性例で疾患特異的生存期間が短いことを報告してきました(Journal of Clinical Virology 165:105523, 2023)。

今回の研究では、クタウイルスと中咽頭扁平上皮癌との関連に着目し、106例の患者の腫瘍組織を用いて、ヒトパピローマウイルス(HPV)をはじめとする複数のウイルスの検出状況と、患者の臨床経過との関連を解析しました。その結果、HPV DNA陰性の患者では、59例中14例(24%)の腫瘍組織からクタウイルスDNAが検出されました。また、クタウイルスDNA陽性例では、陰性例と比較して無増悪生存期間が有意に短いことが明らかになりました。一方、全生存期間との有意な関連は認められませんでした。

本研究により、クタウイルスDNAの検出がHPV DNA陰性の中咽頭扁平上皮癌において、患者の予後を予測する指標となる可能性が示されました。今後、クタウイルスの検出が患者の臨床経過とどのように関連するのか、さらなる研究による解明が期待されます。

本研究は、医学部耳鼻咽喉科頭頸部外科学講座との共同研究です。

論文名: Prognostic relevance of cutavirus DNA in human papillomavirus DNA-negative oropharyngeal squamous cell carcinoma: a retrospective cohort study
和訳: ヒトパピローマウイルスDNA陰性の中咽頭扁平上皮癌におけるクタウイルスDNAの予後的意義:後ろ向きコホート研究

論文の詳細:https://link.springer.com/article/10.1186/s12985-026-03333-9
医学部医学科微生物学講座のホームページ:http://www.kochi-u.ac.jp/kms/ff_mcrbi/