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センターについて

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「これからの未来、私たちはどう生きるべきか?」という『問い』に向き合っていくために、希望創発研究会は設立されました。

高知県は、全国に先駆けて社会的課題が顕在化する「課題先進県」のひとつとして知られていますが、そうした課題にクヨクヨせず、むしろワクワクしながら解決に取り組む陽気さと自然と協働をする県民性を持つ土地柄です。

           

そして、高知大学は「地域協働」を通した全学的な教育に長年にわたり取り組み続けており、高知県内外の各地に多様な人的ネットワークを持っているのが特徴です。

こうした高知県の風土と、高知大学のこれまでの取り組みを結ぶ線上に、私たち希望創発センターは生まれました。

センター長挨拶

希望創発センター センター長

大島 俊一郎

農林海洋科学部
海洋資源科学科 教授

こんにちは。いきなりですが、皆さんは日々の暮らしの中で、ふと立ち止まる瞬間はありませんか。はっきりとした理由があるわけではないけれど、漠然と「このままでいいのだろうか」と感じるそんな感覚です。忙しさの中に紛れてしまいがちな小さな違和感ですが、実は多くの方々がこの感覚はどこかで共有しているものではないかと感じています。私たち自身も、同じような思いを抱いていました。だからこそ2017年、まずはその違和感や問いを持ち寄り、ゆっくりと対話を重ねることから始めました。特別なことをしたわけではなく、ただ「同じ時代を生きるご縁のある皆さんと一緒に考える時間」を大切にしてきました。

そして2018年、その対話をもう一歩前に進め、「かたち」にしてみようと、小さな実践を始めました。大きな答えがすぐに見つかるわけではありません。それでも、誰かとともに考え続けること、関わりの中で少しずつ未来を編み直していくこと、その積み重ねそのものに確かな意味や希望が宿るのではないかと感じています。こうした日々の実践や対話のなかに、私たちが大切にしてきた「希望創発」という考え方があります。それは特別な理論というよりも、人と人との関わりの中から自然に立ち上がってくる本質的なものです。以下に、その考え方についてご紹介します。

意味生成と現場主義

私たち希望創発センターは、人間を「意味を生きる存在」として捉えるところから出発しています。人は出来事を単に経験するのではなく、それらを関係のなかで結び直し、自らの物語として編み直しながら生きています。意味はあらかじめ与えられるものではなく、他者との応答や出来事との関わりのなかで、絶えず生成され続けるものです。同時に私たちは、この意味生成の営みを、抽象的な理念としてではなく、常に具体的な現場・現物・現実のなかで捉えることを重視しています。人がどのように意味を見出すのかは、実際に人が関わる場所、触れている対象、直面している状況のなかにこそ現れます。したがって、現場に足を運び、現物に触れ、現実の複雑さに向き合うことなしに、意味や希望を語ることはできないと考えています。そのため私たちは、社会の中で自明とされている前提、例えば何が正しいのか、何に価値があるのか、何をもって「理解した」とするのかを、現場の具体的な経験に立ち返りながら根底から徹底的に問い直すことを重視しています。問いとは単なる問題解決の手段ではなく、世界の見え方そのものを揺さぶり、再構成する営みです。「当たり前」を問いに付すことによってのみ、私たちは既存の枠組みの外に出て、新たな意味の地平に立つことができます。

現代社会への問題提起と「希望」の再定義

現代社会は、合理性や効率性、予測可能性を基盤とした問題解決の枠組みによって大きな成果を上げてきました。しかし同時にその枠組みのなかで、私たちの営みは「どれだけ役に立つか」「どのような成果やスキルに結びつくか」といった意義(有用性)へと過度に収斂し、「それが自分にとってどのような意味をもつのか」という問いは周縁へと退いてきました。また、客観性や測定可能性が重視されるあまり、数値化や評価の対象となるものに価値が集中し、そこからこぼれ落ちる主観的な経験、例えば「迷い、違和感、手応え、納得」といった内面的なプロセスが表現される余白は次第に失われつつあります。その結果、人間の経験は機能や成果として把握される一方で、「どのように生きているのか」という意味の次元が十分に扱われなくなり、現場の実態や個別の経験との乖離が生じる場面も少なくありません。不確実性と多元性が常態となった現在、このような枠組みだけでは、人の生や社会の動態を捉えきれないことが明らかになりつつあります。 私たちは、世界を固定された実体ではなく、関係が生成し続ける過程として理解します。人と人との出会いは、異なる世界同士の接触であり、その緊張やずれのなかから、これまで存在しなかった意味や価値が立ち上がります。そしてその創発は、具体的な現場における相互作用のなかでこそ立ち現れるものであり、現実から切り離された計画や制御によって直接生み出されるものではありません。ここでいう「希望」とは、確定された未来への期待ではありません。現実の複雑さや不確実性に身を置きながらも、そのなかで新たな意味が立ち上がりうることへの信頼であり、その過程に自らを開き続ける姿勢そのものです。希望とは、外部から与えられる対象ではなく、現場の関係性のなかで生成され続ける運動です。こうした考えに基づき、私たちは大学という枠組みにとどまらず、社会の多様な現場へと実践をひらいていく取り組みを進めています。

実践展開と社会実装への志向

この希望創発センターは、もともと文部科学省の概算事業として開始され、現場に根ざした学びのあり方を探究する中で蓄積されてきたものです。その実証的な知見と実践の積み重ねは、現在、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)へと接続され、より広域的かつ社会実装を志向した取り組みへと発展しています。その中核の一つが、「誰でもセンセイ 誰でもセイト」の実践です。この取り組みは、人が固定的な役割(教える/教えられる)にとどまるのではなく、関係のなかで相互に学び合う存在として立ち現れる場を社会の中に創出するものです。参加者一人ひとりが、自らの経験や関心を持ち寄りながら、同時に他者から学ぶ主体となることで、意味生成のプロセスそのものが開かれていきます。それは単なる教育プログラムではなく、現場における関係性の再編成を通じて、人がどのように意味を見出し、更新し続けるのかを実践的に問い続ける場でもあります。そしてそのプロセスは、地域や組織の文脈に応じて多様に変容しながら広がり、固定化されたモデルではなく、生成し続ける「学びのかたち」として徐々に社会の習慣となり、やがて慣習となって根づいていきます。希望創発センターは、科学と人文の知を往還しながら、現場・現物・現実に根ざした意味生成のプロセスに立ち会い、それを支える場をひらいていきます。対話と協働を通じて、偶然性や予測不能性を排除するのではなく、現実のなかでそれらを創造の契機として引き受ける。そのような実践の積み重ねのなかで、人は自らの物語を更新し続けることができます。私たちが目指すのは、既存の答えに依存するのではなく、現場に根ざした問いのなかで生き、関係のなかで意味と希望を創発し続ける人が育つことです。そしてその営みの広がりが、不確実性の時代にふさわしい新たな公共性を形づくっていくと考えています。

これからも、内閣府SIPの枠組みを活用させていただきながら、多様な地域・組織との連携を通じて、現場から意味と希望が立ち上がる実践を全国へと皆様と共に愉快に展開して行きたいと考えています。引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

スタッフ紹介

大島 俊一郎

センター長(基幹教員)

大島 俊一郎

Shunichiro Oshima

農林海洋科学部 海洋資源科学科 教授

渡辺 茂

副センター長(基幹教員)

渡辺 茂

Shigeru Watanabe

理工学部 化学生命理工学科 教授

市川 昌広

基幹教員

市川 昌広

Masahiro Ichikawa

地域協働学部 地域協働学科 教授

高橋 俊

基幹教員

高橋 俊

Shun Takahashi

人文社会科学部 人文社会科学科 教授

波多野 慎悟

基幹教員

波多野 慎悟

Shingo Hadano

理工学部 化学生命理工学科 准教授

長﨑 慶三

兼務教員

長﨑 慶三

Keizo Nagasaki

農林海洋科学部 海洋資源科学科 教授

大石 達良

兼務教員

大石 達良

Tatsuro Oishi

地域協働学部 地域協働学科 教授

三木 智博

兼務教員

三木 智博

Tomohiro Miki

イノベーションセンター講師

宝金 実央

特任教員

宝金 実央

Mao Hokin

希望創発センター 特任助教

芦田 知輝

特任教員

芦田 知輝

Tomoki Ashida

希望創発センター 特任研究員

客員教員

口村 圭

Kei Kuchimura

シミックホールディングス株式会社

新家 伸浩

Nobuhiro Shinya

パナソニック コネクト株式会社

菅原 誠

Sugahara Makoto

東京都立中部総合精神保健福祉センター

谷 俵太

Hyota Tani

ACADEMIC VISION合同会社

田村 樹志雄

Kishio Tamura

株式会社KOKUBAN

土居 雅夫

Masao Doi

株式会社ビィソイル

中島 大輔

Daisuke Nakashima

NECフィールディング株式会社

中島 哲

Akira Nakajima

元 トヨタ自動車株式会社

中島 好博

Yoshihiro Nakajima

特定非営利活動法人 シニアも社会を支える国へ

沼田 侑香

Yuka Numata

現代美術家/アーティスト

藤本 治己

Harumi Fujimoto

元 株式会社ファーストリテイリング

堀部 修平

Shuhei Horibe

一般社団法人En高知

宮本 高憲

Takanori Miyamoto

株式会社高南メディカル

アドバイザリーボード

池田 啓実

Hiromi Ikeda

高知大学名誉教授

円谷 友英

Tomoe Entani

兵庫県立大学

岡田 一水

Katsumi Okada

株式会社高知銀行

加藤 真

Makoto Katou

元 富士通株式会社

佐藤 智子

Tomoko Satou

中央大学

鈴木 紀之

Noriyuki Suzuki

三重大学

中澤 二朗

Jiro Nakazawa

新日本製鐵株式会社

三木 克哉

Katsuya Miki

元 株式会社ダイセル

三橋 明弘

Akihiro Mitsuhashi

旭化成株式会社

宮本 智司

Satoshi Miyamoto

元 旭化成株式会社

元田 勝人

Katsuto Motoda

元 旭化成株式会社

事務担当

芝 弘行

Hiroyuki Shiba

学務課専門職員(SiP担当)

福井 美和

Miwa Fukui

学務課学習・研究サポート係

片山 知紗

Chisa Katayama

学務課学習・研究サポート係

組織図

組織図

シンボルマーク

                   

希望創発センターのシンボルマークは、高知大学地域協働学部でデザインを学ぶ学生に制作を依頼し、複数候補の中から希望創発センター関係者の投票により決まりました。

制作意図

「問い」から生まれる「希望」を「クエスチョンマーク」と「芽」で表現しました。

制作者

高知大学地域協働学部3年生 榊原桃伽さん(学年は2018年度時点)

特色

DIC =2543s*
DIC=2270s*