高知大学医学部泌尿器科学教室

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教  育 研  究 業  績 前立腺癌検診 医局員募集
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専門外来(腫瘍外来) (文責:担当 井上啓史)

 近年、低浸襲手術や臓器温存手術が盛んになり、患者さんへの精神的および肉体的負担は以前と比べはるかに軽減しています。その反面、治療後の経過観察は以前にもまして慎重を要します。当専門外来では泌尿生殖器癌を専門とするスタッフを中心に腎癌、腎盂、尿管、膀胱癌を含めた尿路上皮癌、前立腺癌、精巣腫瘍を対象に専門外来を行っています。


腎癌

 近年、画像診断の進歩により多くの腎癌は小さい段階で発見できるようになってきました。これら小さい腎癌にたいして、当科では腎部分切除術や腫瘍核出術といった腎温存手術を積極的に行っています。そのため術後の経過観察はこれまで以上に慎重に行う必要があり、当外来では、画像診断を中心にきめ細かい外来診療を行っています。また、主に術後補助療法として分子標的治療や免疫療法も行っています。


尿路上皮癌 (腎盂癌、尿管癌、膀胱癌)

 この病気の発見には、尿中の細胞の異型度を診る尿細胞診が有用です。この尿細胞診をはじめとして、画像診断、さらには内視鏡を用いて、少しでも早期に診断ができるよう努力しています。治療としては手術療法と化学療法の2つの大きな柱があります。いずれも入院治療が一般的であり、患者さんの負担は余儀なくされます。そこで最近当科では、個々の患者さんの病状にもよりますが、外来通院で治療が可能な化学療法をはじめました。このことで患者さんへの負担はずいぶん軽減されると考えています。


精巣腫瘍

 この病気は頻度が低く、比較的若い年代に発症するため発見が遅れることがしばしばあります。その場合でも70〜80%は完治が期待できます。しかし、長期に経過した後に再発した報告も多数あり、画像診断、腫瘍マーカーを中心とした経過観察を長期にわたって行っています。


前立腺癌

 前立腺癌患者さんに対する診察は、大きく二つに分かれます。ひとつは,前立腺全摘術や、放射線治療後の経過観察です。再発監視のための定期的な腫瘍マーカーを中心とした採血、画像検査はもとより、術後の患者さんのQOL向上にも十分注意をはらい、きめ細かい診察を常に心がけています。ふたつめはホルモン療法、化学療法を行っている患者さんの診察です。化学療法はホルモン療法が効かなくなった患者さんに対して行っていますが、当科ではより安全で、比較的効果が高いと考えられている薬剤を用いて、元気な患者さんには外来通院で治療を受けてもらっています。また、いずれも、診察医同士で常に情報を交換し、より正確で、最新の医学知見に基づいた診察が行えるよう努力しています。

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