高知大学医学部泌尿器科学教室

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研究紹介(癌生物学班) 研究グループ:辛島 尚/井上啓史

 泌尿生殖器癌を含めた固形腫瘍は、限局性である限り多くの場合、外科的切除にて根治が可能です。ひき続き起こる浸潤や転移こそが人を死に至らしめる直接の原因と考えられます。

 近年、この浸潤・転移に関して、様々な促進因子や抑制因子の解明がなされていますが、個々の因子だけでは浸潤・転移のメカニズムを説明するのは困難です。我々はこれら因子のバランスやその発現時期が浸潤・転移の重要なポイントと考えてます。

 また、癌の転移には臓器親和性がみられ、"Seed and Soil説"(Paget, 1889年)つまり癌細胞(Seed)そのものの性質に加え、標的臓器における接着、細胞外基質分解、走化・運動、増殖、血管新生などに関わる微小環境(Soil)も重要と考えます。

 以上の考えをもとに私達の研究グループは以下の基礎研究および臨床研究を行っています。

@ 尿路移行上皮癌

血管新生に関係する因子であるbFGF、VEGF、IL-8の発現、および浸潤・転移に関係する因子である細胞外基質分解因子MMP、接着因子E-cadherinの発現と病期、悪性度、予後との関係の解析。
各血管新生関連因子および浸潤・転移関連因子の高発現および低発現細胞の腫瘍形成能および浸潤・転移能の検討。
癌細胞同所性移植モデル(ヌードマウス)を用いた分子標的治療実験。
骨転移を標的とした治療実験。
DNA arrayによる浸潤・転移責任遺伝子の検索。
転写因子制御による血管新生関連因子および浸潤・転移関連因子の抑制。

A 前立腺癌

内分泌療法および放射線療法(組織内照射)による血管新生関連因子および浸潤・転移関連因子の経時的変動の検討。

B 腎細胞癌

VHL遺伝子、HIF遺伝子および血管新生関連因子および浸潤・転移関連因子の発現の関係の解析。
VHL遺伝子の欠損部位別の腫瘍形成能の評価。
骨溶解性骨転移における血管新生関連因子および浸潤・転移関連因子の役割の検討。
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