研究について
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臨床研究の開示文書
に関するご案内
オプトアウトを行っている研究内容一覧
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高知大学呼吸器外科では臨床研究や基礎研究に力を注いています。
これらの研究結果に基づく新しい治療法の開発によって、治療成績の向上を目指しています。
1.低侵襲呼吸器外科学(低侵襲検査法の創出、低侵襲手術の開発・臨床応用)
2.基礎医学から臨床医学への応用
の2本柱で研究を行っています。
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低侵襲検査法:低線量X線動画イメージングによる新しい肺機能診断法の創出
X線動態撮影システム Dynamic Chest Radiography: DCR
低線量X線動画イメージングとはコニカミノルタが開発した新たな画像診断ツールです。本装置は肺野や胸郭の運動を動的に評価可能で、被爆量は通常の胸部単純X線約2枚分と低被爆で、努力呼吸を要しない検査法であり、低侵襲な検査法といえます。金沢大学AIホスピタル・マクロシグナルダイナミクス研究開発センターとの共同研究にて臨床的な観点から呼吸器外科手術の周術期における本検査の有用性の検証を行っています。
立位にて撮影,肺野/胸郭の運動を動的に評価可
15秒間の撮影で被ばく線量は0.15mSv
15秒間の撮影で被ばく線量は0.15mSv
胸部単純X線写真2.0枚弱相当
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低侵襲手術:低侵襲手術の開発と臨床研究
低侵襲外科学を推進するための、医工連携による手術機器開発
呼吸器外科領域において、更なる低侵襲手術として単孔式手術が導入されつつあります。当科では低侵襲手術の開発・臨床応用を行っています。単孔式手術や細径鉗子などを用いて行うReduced port surgeryも開発され、呼吸器外科領域でも導入されるようになりました。我々は民間企業と共同開発した細径鉗子Endo Relief® を開発しました。本鉗子はシャフト径が2.4mmと細く、ポートを必要とせず直接穿刺にて挿入しますが、先端は肺把持が安全に可能な形状です。また研究助成金を得て、組織牽引システムを用いた単孔式鏡視下手術を開発しました。これら自ら開発したデバイスを用いて臨床応用を目指しています。
新しい手術機器の開発
民間企業と共同開発した細径鉗子Endo Relief® を開発しました。本鉗子はシャフト径が2.4mmと細く、ポートを必要とせず直接穿刺にて挿入しますが、先端は肺把持が安全に可能な形状です。
民間企業と共同開発した細径鉗子Endo Relief® を開発しました。本鉗子はシャフト径が2.4mmと細く、ポートを必要とせず直接穿刺にて挿入しますが、先端は肺把持が安全に可能な形状です。
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低侵襲手術:平均CT値を用いた肺癌悪性度診断に関する研究
平均CT値を用いた肺癌悪性度診断に関する研究
近年薄切CTにより、すりガラス陰影の発見が増えています。平均CT値という評価法を用いて早期肺癌の悪性度診断を行うことを目的とし、これまでに将来的に増大する病変を、予見することができる可能性を示しました。また肺癌の浸潤性について、浸潤癌では非浸潤癌に比べて平均CT値が低く、C/T比(consolidation/tumor比)に比べて診断能が高いことを示しました。さらに縮小手術を施行した症例を対象に再発の有無について検討を行い、平均CT値が有用な指標となることを示しました。これまでの研究成果をもとにさらに臨床データを蓄積し、縮小手術の適応決定のためのエビデンス構築を目指しています。
C/T比では評価者の間で時に解離がみられたり、
充実部の評価が難しい場合もある。
充実部の評価が難しい場合もある。
C/T比での評価が困難 → 平均CT値での評価
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基礎医学から臨床医学へ:難治性癌に対する温熱療法・mTOR阻害剤の併用療法
新規強磁性流体を用いた温熱療法
悪性胸膜中皮腫に対して、磁性流体を用いた温熱療法についての研究はこれまでありません。本研究は従来の磁性流体の弱点を改善した新規強磁性ナノ粒子を用いた温熱療法を開発するという点に特色があります。温熱療法の治療効果についてのデータも集積しつつあります。将来的には、mTOR阻害剤と、温熱療法の併用療法の開発を目指しており、難治性腫瘍である悪性胸膜中皮腫の治療に大きなブレイクスルーとなりことが期待されます。
悪性胸膜中皮腫の治療に大きなブレイクスルーとなることが期待できる。
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基礎医学から臨床医学へ:強い近赤外蛍光を発する樹脂を標識具とした小型肺癌に対する新たな肺マーキング法の開発
近年、小型肺癌の増加と共に肺マーキングの必要性が高まっています。体外から針を肺内に留置する方法では空気塞栓という重篤な合併症が報告されており、これに代わり安全性を求めて、経気管支鏡下にICG(Indocyanine green)を胸膜直下に注入し、手術時に臓側胸膜面から確認する方法が開発されました。しかしICGの易拡散性は,患部の正確な位置の特定を困難にする最大の欠点となっています。このような技術課題を解決するべく、本学循環制御学教室(佐藤隆幸教授)で開発された近赤外蛍光樹脂材料(組織内部深さ20mmに留置されても組織表面から,十分かつ明瞭に可視化できる)を用いて、確実性を高めた新たな肺マーキング法の開発を目的としています。
研究テーマ一覧
・低線量X線動画像イメージングによる肺機能診断法の創出と臨床応用
・新しい手術機器の開発
・平均CT値を用いた肺癌悪性度診断に関する研究
・悪性胸膜中皮腫に対する新規強磁性体温熱療法とmTOR阻害剤の併用療法の開発
・強い近赤外蛍光を発する樹脂を標識具とした小型肺癌に対する新たな肺マーキング法の開発
・新しい手術機器の開発
・平均CT値を用いた肺癌悪性度診断に関する研究
・悪性胸膜中皮腫に対する新規強磁性体温熱療法とmTOR阻害剤の併用療法の開発
・強い近赤外蛍光を発する樹脂を標識具とした小型肺癌に対する新たな肺マーキング法の開発
オプトアウトを行っている臨床研究は以下のとおりです。研究への希望をされない場合やご質問等がありましたら、下記の連絡先までご連絡ください。
連絡先
科長:田村昌也
〒783-8505 高知県南国市岡豊町小蓮185-1
TEL:088-888-0414
FAX:088-888-0421
E-mail:masatamu@kochi-u.ac.jp