ごあいさつ

高知大学 外科学講座 呼吸器外科教授 田村昌也
2022年1月に高知大学呼吸器外科学講座教授に就任してから、3年が経過し、4年目を迎えました。これまで順調にチーム運営ができているのも、ひとえに皆様のご支援のおかげであり、心より感謝申し上げます。高知大学呼吸器外科の使命は、臨床、研究、教育の3本の柱を高水準でバランスよく遂行することです。
診療においては、ロボット支援下手術や単孔式手術などの低侵襲手術を行い、治療が難しい局所進行肺癌に対しては、抗がん剤、免疫治療、放射線治療を組み合わせた周術期治療を実践しています。さらに、他科との連携を深め、大学病院ならではの治療を提供してきました。今後も、高知市のみならず高知県全域の呼吸器疾患の治療成績向上を目指し、日々取り組んでまいります。
研究においては、当科での外科治療症例のデータベースを構築し、縮小手術の適用に関するエビデンスの確立をはじめ、臨床から生じるクリニカルクエスチョンを解決する臨床研究を進めています。また、低侵襲手術の発展のための機器開発と臨床応用、病理学教室との共同研究にも力を入れています。
教育面では、臨床講義やベッドサイドでの実践的指導に加え、研修医や専攻医への手術や各種手技の指導を行い、呼吸器外科の魅力を伝えるべく全力で取り組んでまいりました。研修医、専攻医、若手医師など、次世代を担う高いモチベーションを持つ呼吸器外科医の育成は、私たちの重要な責務であると考えています。
また、呼吸器センターを設立し、呼吸器内科との連携・協力体制をこれまで以上に強化し、より紹介を受けやすく、最少の日数で検査を行い、紹介から治療開始までの期間を短縮するよう努めてまいります。これからも「和」を大切にし、スタッフが生き生きと熱意をもって活躍できる教室づくりを目指します。今後とも、皆様のご指導・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。