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「流域環境」ってなに? |
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「流域」とは川を流れる水の繋がりを中心に考えています。特に水は生物の生産,つまり林業・農業・水産業に代表される第一次産業と密接につながっています。流域環境工学コースでは、これらの産業の場となる森林,農地,海などの環境を保全し改善する方法などについて教育研究しています。
○ 健全な森をどのように維持・活用するか
○ 川や湖をどのように利用・保全するか
○ より良い農地をいかにして作るか
○ 海をきれいにするにはどうすればよいか
○ 自然災害からいかにして森や農地や街を守るか
などです。そのためには一次産業の場だけではなく,これを取り巻く自然界すべて(山から海まで)を対象としています。
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「工学」の意味がよくわかりません。 |
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工学という言葉はとても広い意味で使われますが,生産環境工学科では数学,物理学(力学)を基礎とした手法で生物生産環境の問題に取り組んでいます。水の流れのしくみ,土の性質,力の法則などを勉強し,その次に土木工学の専門知識を学びます。さらにデザイン技法,情報処理,水質学,生態学などの広い知識も学びます。 |
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「環境」は生物学や化学と関係が深いと思うのですが、どうして「工学」なのですか? |
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大気汚染や海洋汚染などの環境問題は水や空気の性質や生物の生息状況を調べることで明らかになってきました。これらは人間がより良い暮らしを追い求めてきた結果として発生し,簡単にその原因を取り去ることができません。そこで生産環境工学科では環境問題を解決するために,水・土・空気の動きを物理現象としてとらえ,これと人間社会や動植物の生態系との関係を明らかにしようとしています,そしてわれわれ以外の様々な分野の人たちと一緒になって解決策を考えることが必要だと考えています。
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数学や物理学が苦手なのですが…。 |
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1年次には高校で習った数学(微分積分など)や力学を復習し,専門科目を学ぶための基礎知識を勉強します。ここでは数学や物理が苦手な人のレベルアップを図りますので心配いりません。高校の教科が得意か不得意かということよりも,「新たなことを学ぼうとする意欲があるかどうか」がとても重要です。高校までの科目の得手不得手で将来が決まる(将来を決めてしまう)ことはとても残念なことです。大学での勉強は試験で高得点をとることを目指すわけではありません。チャレンジすることがとても大切です。
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授業は難しいのでしょうね? |
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大学なのですから,もちろんやさしくはありません。大学での勉学の目的は
○ 広い,高度な知識を身につける
○ 得た知識をもとに深く考え,自分自身の考えを持つ
○ 実験・調査・分析の技術を身につける
○ 社会の一員として多くの経験を積み重ね,確固たる自己を形成する
です。そのために流域環境工学コースでは講義のほかに,実験・実習・現地見学・学外研修・セミナーなど多彩なカリキュラムを用意しています。これらを通じて,講義で学ぶ専門知識がフィールドでどのように活かされているかについて理解を深めます。 |
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勉強ばかりするのかな?大学生活は楽しいと聞いたのですが… |
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講義や実験で朝から晩までギッシリ,というわけではありません。普段は予習や復習,それにリポート作成などで忙しいですが,土日祝祭日も含めると1年の半分近くは休みです。流域環境工学コースではこの休暇期間中のクラブ・サークル活動,ボランティア活動などを重視しています。他大学で授業を受けて成績として残すことも可能です。さまざまな活動を通じて多くの友人を作ることで楽しいキャンパスライフが送れることでしょう。 |
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将来は社会に貢献したいと考えています。卒業したらどのような仕事に就けるのでしょうか? |
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その道の専門家として活躍することも可能ですし,大学で学んだことを糧(かて)にして新たな道を開拓することも可能です。さらに勉学・研究を進めたいのであれば,大学院(修士課程,博士課程)へ進学できます。ようするに将来の進路は本人次第です。
流域環境工学コースの卒業生の主な進路を紹介することにします。
@国の機関や県・市・町などの地方自治体で農林水産業を発展させるための仕事
A土木建築業,設計業務,環境調査業務などの民間企業
B中学校・高等学校・大学などの教員
C国や県の研究機関で農林水産業に関連する研究業務
などです。この他にも社会のさまざまな分野で卒業生は活躍しています。彼らは私達の誇りです。
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大学での授業や研究活動についてもっと教えて |
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「高校生のための大学一日公開」や「出前授業」,秋の大学祭の時には一般向けの「大学一日公開」など,高校生や地域の皆さんに大学を知っていただくためのイベントを毎年実施していますので,ぜひ参加してください。 |
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流域環境工学コースは留年する確率が高いって本当? |
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コース改組後の2007年度入学生は、全員が卒業論文を書く資格を得ています。つまり、留年生はゼロです。
流域環境工学コースでは,教員が授業の進め方や成績評価について,具体的に説明をしながら授業を行っています.また,技術者教育を実践する中で「学生会議」が組織化され,カリキュラムや授業内容について教員へ要望が出されます。このように、学生と教員がカリキュラムについて関心を持って改善が行われ,授業内容が理解されるようになり単位の取得が可能になったので、現在は留年の可能性が非常に低下しているといえます。
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流域環境工学コースの授業は必修ばかりだと聞きましたが… |
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2009年度入学生までのカリキュラムでは、流域環境工学コースの必修科目数が,他コースに比較してとても多い状況にありました。これは,流域環境工学コースの卒業生は,
“認定技術者(国家・国際資格である技術士試験一次試験免除者,技術士補)”としての認定が同時に受けられるためでした。この認定技術者としての資格をうけるためには,多くの知識を授業から「確実に」得なくてはなりません.そのために必修科目が多い状況にありました。
しかし,学生の多様な学習機会が得られるように,これまでのカリキュラムを精査して授業内容の重複や要望に応えるために見直しを行いました。その結果、2010年度入学生からは、他コースと同程度に必修科目数を抑え、より多くの授業選択、学習設計ができるようになりました。
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農学部だけ離れたところにあるんですね。 |
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大学の本拠地は高知市内の朝倉キャンパスですが,流域環境工学コースをはじめとする農学部8コースは南国市の物部キャンパスを本拠地としています。
農学部の学生は2年次から卒業までこの物部キャンパスで学びます。南国市でも都市化が徐々に進行していますが,物部には自然がいっぱいあります。アユ躍る清流物部川のそば,屋上からは太平洋を望むことのできる素晴らしい環境で勉強します。環境を学ぶにはまさに最適なキャンパスです。
高知龍馬空港が隣にあるので,大阪まで1時間,東京まで1時間半ほどで行けます。インターネットなどのIT環境も完備しています。 |
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