免疫難病センターの研究論文が米国癌学会誌『Cancer Research』に掲載されました

2017年11月1日

 免疫難病センターの菅生貴仁特任助教、仲哲治教授らの研究グループは、大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学教室との共同研究により、同研究グループで開発中の新規遺伝子治療(AdSOCS-1)が癌の放射線感受性を高める効果をもつことを発見し、そのメカニズムを解明しました。
 本研究は、仲教授らの研究グループが1997年に単離したJAK/STATシグナル伝達阻害分子SOCS-1(Suppressor of Cytokine Signaling-1)について、その基礎研究の成果を臨床に応用しようとする観点から始まったものです。SOCS-1を発現するアデノウイルスベクター(AdSOCS-1)を作製し、有効な治療法が開発されていない癌に対する革新的な抗癌剤として使用しようと試みています。
 食道癌など各種難治性の癌においてはSTAT-3という転写因子が常に活性化状態にあり、癌細胞の増殖亢進のみならず癌治療への抵抗性に関与するなど、癌の予後不良因子であることが知られていました。本研究では、対照群のAdLacZ処理群と比較してAdSOCS-1処理群で放射線照射時の癌細胞のDNA障害が著しく増強し、その結果、癌細胞の増殖が強く阻害されることを培養細胞および担癌マウスを用いて明らかにすることができました。その機序として、転写因子STAT-3の活性化と細胞死の抑制分子Mcl-1の発現が、SOCS-1の強制発現により抑制されて放射線感受性が高まることを今回の研究で見出しました。
 これらの研究成果は、平成29年10月17日付、米国癌学会誌『Cancer Research』にオンライン掲載されました。

 

論文名: SOCS1 gene therapy improves radiosensitivity and enhances irradiation-induced DNA damage in esophageal squamous cell carcinoma
            SOCS1遺伝子治療は食道扁平上皮癌の放射線感受性を改善し、放射線照射で誘導されるDNA損傷を増強する

 

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