高知大学医学部附属
医学情報センター
Center of Medical Information Science

学部教育

 


■情報処理(医学科1年)


 必携ノート型パソコンを使用した講義や実習・演習を通じて、高度情報化社会に対応できる力、すなわち次の3つを身につけることを目的とする。 1)情報活用の実践力:道具としての情報機器やシステムの利用技術・活用術を身につけること、 2)情報の科学的理解:情報機器やシステムの仕組み及び情報科学の基本概念を理解すること、 3)情報社会に参画する態度:情報技術が我々の生活や社会に与える影響を認識し、情報を扱う際のモラルや倫理を身につけること。







■EBMⅠ(医学科1年)


 EBMとは、Evidence-Based Medicineの略であり、大辞林(三省堂)によれば、「根拠に基づいた医療。経験則に頼る医療から脱却し、臨床研究などの科学的データをもとに、患者にとって最も有益で害の少ない治療法を選択する医療。」とある。 すなわち、最新で最善の科学的な根拠に基づく医療を目の前の患者に適用することであり、その具体的な手順は、 1)臨床的な疑問を解答可能な形にする、 2)最善のエビデンスを見つける、 3)エビデンスを吟味する、 4)診療に関わる決断をする、 5)以上の過程を評価する、 であると言われている。EBMⅠの授業では、この5段階の手順のうち3)5)を実施するにおいて最も重要な基礎となる「医学統計」の考え方を身に着け、実際に応用できるようになることを目指す。

 具体的な学習目標は、1)確率論的なものの見方や確率変数とその分布、統計的推測(推定と検定)の原理と方法を理解し身に付ける、2)医学でよく使われる統計的手法について理解するとともに、医学に関係したデータに対し、Rを用いた演習を通じて問題解決能力を身につけることである。







■EBMⅡ(医学科3年)


 病院情報システムの実際、医療データの標準化、医学データ解析などを講義と演習で学ぶ。

 具体的な学習目標は、1)病院情報システムを中心として、そこで用いられている情報通信技術、データベース技術、画像処理技術などについて理解する、2)病院情報システムのデータベースに蓄積された医療データを活用するために必要となる医学統計などの解析手法につき理解し、統計解析手法やデータ処理手法および統計処理手法による課題解決ができるようにすることである。







■先端医療学コースⅡ〜Ⅳ(医学科2年〜4年)


 先端医療学推進センター情報医療部門メディカルデータマイニング研究班および病態推移予測研究班に所属している学生を対象に、研究指導を行う。

 研究教育環境として、統合医療情報システム(IMIS)のデータを基にした大規模な解析用匿名化データウェアハウスを構築している。この解析用匿名化データウェアハウスを用いることにより、患者個別の加齢要因を含んだ病態推移の解析を柔軟かつ効率的に行うことが出来る。これらの解析を基にして人の健康を情報科学や数理統計学の手法を駆使してコンピュータ上に表現し理解することで、病態推移予測モデルや疾病発症リスク予測モデル、疾患因子発見プロセスの開発という情報医療学の根幹を形成することを主たる達成目標とする。

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大学院教育

 


■公衆衛生学コース(修士課程)


 公衆衛生学コースは、従来医学情報センターが担当していた情報医科学コースと環境保健学コースを統合することで、独自の強みである医療情報のデータマイニングやICTによる医療情報システムの構築にも強い予防医学・地域医療学の専門家を養成し、ビッグデータの蓄積によりパラダイムシフトが求められている公衆衛生学分野の変革に対応できる専門人材の供給を目指す。

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■情報医療学コース(博士課程)


 解析用匿名化データウェアハウスと、長年医療情報システムの開発に積極的にかかわってきた歴史を活かし、医学専攻の基礎医学系、臨床医学系、医療情報系の教員および応用自然科学専攻の教員の緊密な連携のもとに、電子化医療データの解析に対応できる研究能力や応用能力を身に付けた研究者や専門職業人を育成し、様々な医療機関における電子化医療データやそれらを統合したデータを活用した病態推移予測や疾患因子発見などを通じて、疾病に対する後追いの医療ではない予見性の医療の実現に貢献することや、「治療評価」、「診断支援」、「稀な事象の検出」などによる医療の質向上への貢献を目指す。すなわち、本コースは、「単に医学・医療における情報を扱うのではなく、情報を活用して新たな医学・医療の地平を切り拓く」ことを目指す。

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