平成19年度 高知大学卒業式告辞
膨大な知識と技術が身についている今の自分に、改めて気付かれるはずであります。そして、それは教職員や先輩の優れた指導なくしては、到底達し得なかったレヴェルにまで高められていることにもまた、気付かれるはずであります。
私たち教職員は、在学中の皆さんの努力に対して、改めて真摯な敬意を表するものであります。
今、卒業される皆さんを送り出すに当たって、私たち教職員が、皆さんに期待していることは、豊かな自然環境にある高知大学で習得された知識、技能をもって、皆さんが主体となる21世紀に、真の市民社会を実現するための、課題を発見し、解析し、対策を企画提案し続けてくれることであります。そして、進んで評価を求め、一層の進歩を期する心を持ち続けてくれることであります。
広くは世界の、近くは私たちの生活する地域社会の現状を見る時、多様性ではなく、多くの混乱の中に、一刻一刻が過ぎつつある事を憂います。
皆さんが旅立とうとされている社会では、自分とは異なった価値観や考え方に遭遇することは、屡であろうと思います。その時、一歩立ち止まり、素直に耳を傾け、自他の異なる点に思いをめぐらす、心の余裕を持っていただきたい、他を認める謙虚さや、深い思慮を持って対処してゆくことのできる人間であって頂きたいと、願っています。
他者についてよく知り、そして自らを省みる心を基本として、皆さんの身についている知識、技能を総動員すれば、多くの困難を克服できるばかりでなく、皆さんの手で、皆さんの、理想の21世紀は、創り出せると信じております。
その意味から、卒業してゆく皆さんへの餞としまして、「他は、己にあらず」という言葉を贈ります。
健康には、くれぐれも留意され、全世界の何処にいようとも、あなた方の21世紀を、あなた方自身の手で創り出すための活躍をされることを、強く期待しまして、学長告辞とします。
ご卒業おめでとう。
平成20年3月24日
国立大学法人 高知大学 学長 相良 祐輔