出産経験女性の尿もれと骨盤底ケアの実態を調査 求められる支援のあり方を明らかに

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高知大学医学部附属病院骨盤機能センターの井出志正特任助教、清水信貴准教授と、医学部看護学科臨床看護学講座の石岡洋子教授らの研究成果が、国際学術誌『International Urogynecology Journal』に2026年10月17日付けで掲載されました。

研究グループは2026年3月、出産経験のある20~49歳の女性1,000人を対象にオンライン調査を実施し、尿もれの状況や骨盤底筋トレーニングの実施・指導経験、希望する支援などを調べました。

その結果、希望する支援として最も多く選ばれたのは「骨盤底筋トレーニングの指導」(45.0%)でした。一方で、実際に指導を受けたことがある人は16.3%にとどまり、直近の出産後に骨盤底筋トレーニングを実施した人も20.7%でした。
また、回答者の41.6%が尿もれを経験していると回答したものの、尿もれを主な理由として医療機関を受診した人は1.7%、別の目的で受診した際に尿もれについて相談した人は2.0%にとどまりました。

これらの結果から、尿もれに悩む女性や骨盤底筋トレーニングの指導を希望する女性は少なくない一方で、実際の指導や医療機関での相談・受診には十分につながっていない実態が明らかとなりました。なお、これらの割合はいずれも回答者1,000人全体に対するものです。

希望するケアの環境としては、自宅近くでのケアや女性の医療者・スタッフによる対応、プライバシーへの配慮を求める回答も多くみられました。これらの結果は、指導内容の充実だけでなく、相談のしやすさやサービスの利用しやすさを検討するうえでも参考になると考えられます。

本研究は、出産を経験した女性がどのような骨盤底ケアを望んでいるかを示す基礎資料です。骨盤底筋トレーニングを学ぶ機会や、身近で相談できる支援のあり方を検討するために役立つことが期待されます。

なお、本調査は出産直後の女性を対象としたものではなく、直近の出産からの経過期間の中央値は5.1年でした。また、無作為抽出ではない1回限りのオンライン調査であるため、日本人女性全体の割合を示すものではなく、原因と結果の因果関係や指導・トレーニングの効果を示すものではありません。

Paper Information

論文名: Urinary Incontinence, Pelvic Floor Care, and Support Preferences Among Parous Women: A Cross-Sectional Online Survey
和訳: 出産を経験した女性における尿失禁、骨盤底ケア、希望する支援:オンライン横断調査
論文の詳細: https://doi.org/10.1007/s00192-026-06942-8


骨盤機能センターのホームページ:https://www.kochi-u.ac.jp/kms/hsptl/medical/division/pelvic.html
臨床看護学講座のホームページ:https://www.kochi-u.ac.jp/kms/kms_ns/kouza02.html