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白石大学校:2019年8月〜2019年12月(人文社会科学部2年生)

白石大学校
2019年8月〜2019年12月(人文社会科学部2年生)

留学報告

所属 人文社会科学部人文社会学科
留学開始時学年 2年
留学先国名 韓国
留学先大学 白石大学
留学先所属 経商学部
留学期間 2019年8月〜12月(1学期間)

 

 

出発前の準備

ビザの有無
ビザの種類 D-6
その他必要な事前手続き
必要経費
渡航費 約2〜3万円(往路は釜山港まで船で渡航)
海外旅行保険 高知大学指定の保険に加入
その他  

 

 

留学中の生活

履修した授業 韓国語中級、韓国語文化、英語初級(途中で履修取消)
授業の様子・アドバイスなど 基本的に留学生は取得できる履修の数や科目が決められており、大学から提供されたとおりにやればよい。
課外活動 日本語サークルに参加
生活費

住居費
(大学寮、アパート賃料など)
(1ヶ月あたり)

約3万円
食費(1ヶ月あたり) 約5万円
教科書代 約1万円
通信費・交際費など(1ヶ月あたり)
住居
住居の種類 大学の寮
住居決定の方法 友人・知人の紹介
住居全般に関するアドバイス 寮では自炊が禁止されており、ガスがないため外食、コンビニ食が比較的多くなる。韓国はバスタブが基本的にはなくシャワーのみのため疲れが取れないかも。
留学先での交換留学生に対するサポート

ほかの外国の留学生も多いため、日本人は韓国語のできる留学生の代表一人が情報を受け取り、他の日本人に伝えるという方式で情報共有を行っていた。それが、二度手間であったり、国際交流室にいっても待たされたり、日本人対応の職員がいなかったため、サポートが充実していたとは言いにくい。

健康管理面のアドバイス 外食、コンビニ食が多いので健康面は考える必要がある。

 

 

学習面/生活面でのコメント・アドバイス

学習面

韓国の白石大学では主に韓国語を勉強しました。交換留学の目的は語学習得であり、留学前より勉強してきた韓国語をより深く学びたいと思い、留学を決定しました。韓国留学生の多くが行く語学堂には通わず、学校の授業のみを受講し勉強していました。留学当初の実力はTOPIK(韓国語能力試験)の1級を留学前に取得し、日常会話はほぼできない状況、文章を読むスピードもとても遅かったです。はじめのレベル分けテストで三段階の中級クラスに振り分けられ中国や台湾などの他の外国人の方と授業を受けていました。
授業中はもちろん韓国語しかなく、はじめは先生の話を集中して聞いていました。授業の種類は「書き取り」「読み」「会話」「聞き取り」の四つあり、授業は50分の四コマで、集中力が切れ授業のスピードに置いて行かれそうなときもありました。高知大学の朝鮮語の授業である程度の文法を勉強していたため、復習する文法も多くありました。基本的にどの分野も同じ教科書を使うため、進め方は同じで一日に2~3個ほどの文法を学習します。中間テスト、期末テストを通して自分の実力を把握し、さらに実力を伸ばすように勉強していました。
また、韓国文化講義とキリスト教学も受講しており、多方面から韓国を知るきっかけとなり、その場が韓国語学習の一つでもありました。韓国文化講義では韓国の食事や伝統的な遊び、方言の学習など毎回楽しみながら学べる授業で韓国人の友人との話のきっかけとなりました。
キリスト教学は韓国語で聖書の内容を勉強することで様々考え方を手に入れることができました。そこでは、全く知らない単語や想像もできない単語が多く使われており、自分のレベルでは大変な学習でした。しかし、キリスト教学が専攻の友人がいたため、ゆっくり丁寧に教えてもらい、少しずつ自分のものにしていきました。韓国のキリスト教信者は韓国人口の三分の一ほどの数で、韓国国内ではキリスト教の活動が活発でした。学校外の教会活動が毎週日曜日あり、そこではアフリカや南米、中国などの外国人留学生と交流する場でもあり、韓国語の会話の実力を測れることができ、世界共通語といわれる英語の重要性も感じました。
授業とは別にJJ(ジェイジェイ)という日本人留学生と日本語専攻の韓国人学生が一緒に言語の勉強をするサークルでも活動しました。グループでお互いに教えあい、学習後は一緒にご飯を食べに行き、お互いの国の理解を深めました。韓国では高校生の第二言語として中国語または日本語を学習する機会があるようで、思った以上に日本に関心のある学生がおり、また、日本語を学びたいと思う学生も多く、グローバル化が進んでいる印象も受けました。
このように大学の授業だけでは会話やリスニングの実力は上がりにくいと思い、様々な活動に参加することでより多くの韓国人と交流することが可能になり、韓国語の実力向上の助けとなりました。授業以外の時間はTOPIK取得で必要な文法や語彙の学習を個人的に行いました。また、大学ではフットサルチームに入り、今まで経験がないにも関わらずメンバーがやさしく接してくれるため、勉強だけでないリフレッシュの時間も確保できました。学習時間は日本にいる時より多いため、個人で勉強する時間と韓国人と交流する時間をうまく使いながら韓国語の実力を向上させました。

 

生活面

私は韓国の天安市(チョナン市)にある白石(ベクソク)大学に一学期間留学していました。韓国は日本に近い国で、お互いに影響を与えている国同士であり、生活をしてきて言語や文化等、似ている部分を感じる場面が多くある一方で全く違う部分も感じてきました。
まず、交通機関について日本と比較すると地下鉄や市営バスなど多くは公営企業が多いため、料金は安く、子供からお年寄りまで沢山の人々が利用していました。また、「T-money」という交通カードがあり、韓国国内の地下鉄、バス、タクシーがこの一枚で利用できます。事前のチャージは駅やコンビニでも可能なため、駅改札での混雑はなく、バスの乗り降りはスムーズであり、交通機関が円滑に回るようなシステムでした。韓国は国土が狭いため地下鉄もしくはバスを使えば基本的にどの都市にも行くことができるような交通網が敷かれており、市民の生活を支えています。
私のいた天安市は韓国の中心に位置しチュンチョン南道の中でも人口が多いため、昔より交通の中心地として栄えていました。特に全国各地に向かう高速バスが多く、中心街での道路の混雑はひどいものでした。また、天安市の市営バスの運転の不快さは韓国でも有名で、市民からも苦情が出るほど危険でした。留学中に一時的に市営バスの運転手たちがストライキを起こし不便になった経験などもありました。国からバス会社へ人事改善命令が出るほどの問題を抱えており、急発進、急ブレーキは当たり前、お客に対して険しい口調で話す運転手も多く、バス停では手を振らないと止まらないということなども日常茶飯事でした。日本と韓国を簡単に比較することはできませんが、韓国の交通事故死亡率が経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で高い水準にあることが少なからず結びつくのではないかと思いました。多少の改善が望ましいかと思います。
次に、学生の寮生活についてです。白石大学の寮はキリスト教学校ということもあり、寮内での飲酒の禁止や門限の厳守、朝の礼拝など日本の寮にでもあるような少し厳しい寮規則がありました。
寮の制度について細かく説明すると、白石大学の寮に入るには、実家から一定の距離があること、成績優秀者であることが必要条件となっています。日本では一般的に大学生からは一人暮らしをすることが基本的に多く、金銭的に一人暮らしが困難な学生のための施設として寮が存在しています。一方、韓国は国土が狭く、上記の通り移動手段が発達しているため、通学時間が1~2時間以内の学生は基本的に入寮が難しい状況です。また、韓国の学生は成績優秀者になると返還義務のない奨学金や授業料の免除の機会を与えられるため、勉学に励む学生が入寮の条件の一つであると思われます。
週末になるとキャリーバックを片手に寮から実家に帰る学生が多かったことが韓国に来て驚いたことの一つでした。日本では「親離れ」「独り立ち」というような言葉が大学生にはかけられるのですが、韓国では親はもちろん家族を大事にするという文化が根強くあるため、親に対して敬語を使用することや親と常日頃の連絡は当たり前のようで、このように帰省するのは不思議なことではないようです。寮に戻ってくる日曜日には親が作ってくれたおかずを持って帰り、寮で食べるのが習慣のようです。核家族化や孤独死などの現象が進行している今の日本に必要な家族愛が守られている韓国のとても良い大切な文化を日本も学ぶことがあるのではないかと思います。
今回は人間が生活するうえでの「衣食住」の「住」について詳しくまとめてみました。この短い期間でも日本と韓国との文化の差や考え方などを学ぶことができ、相互の国を比較することでより深く考えるきっかけとなり、物事をより大きな視野でとらえることのできる機会になりました。本当に貴重な体験をし、日本で生きていくうえでの生活の当たり前が当たり前でないことに気づかされた留学期間でした。

 

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