2024年2月21日（水）に、大豊町立大豊学園8年生(中学2年生)13人が実践的な英語教育の一環として高知大学を訪れ、本学の留学生6名と英語で交流しました。今回の活動は、本学の留学生との英語交流の経験により英語表現力を高める機会とするとともに、異文化に触れる経験を通して国際理解を深めるという目的で行われ、スウェーデンからオリヴァーさん、グスタヴさん、中国から董偉騫さん、紀清禹さん、マレーシアからフダさん、インドネシアからヘルミナさんが交流会に参加しました。

　まず、留学生から自分の国の世界遺産とおもしろいものについての発表が各国10分ぐらいずつありました。スウェーデンからはオリヴァーさんより王室の居城であり、美しい庭園と宮殿がある「ドロットニングホルムの王領地」やヴァイキング時代の遺跡で歴史的な価値が高い「ビルカとホーヴゴーデン」、18世紀の製鉄所で産業遺産として重要な「エンゲルスバーリ製鉄所」、先史時代の岩絵が保存されている「ターヌムの岩絵群」などの世界遺産の紹介がありました。グスタヴさんからはスウェーデンのおもしろいものとして、2キロ以上の塊のチーズを切る「チーズスライサー」やペットボトルや缶のリサイクルシステムである「PANT」、15歳になると法的に免許なしで運転できる特別な「A-TRAKTOR」などの説明があり、皆文化の違いに驚いていました。

　次に、董偉騫さんと紀清禹さんによる中国の世界遺産と中華料理の地域の味についての紹介がありました。中国の世界遺産はイタリアに次ぐ世界2位の登録件数で、現在57件がユネスコに登録されており、日本でも有名な「万里の長城」や「兵馬俑」、「北京故宮」の紹介がありました。また、中華料理の5つの重要な味として中国は地域により特徴的な気候や習慣、文化が発達しており、料理の味付けも「南は甘く、北はしょっぱく、西は酸っぱく、東は辛い」という説明とともに漢方では「苦味」が不可欠で医食同源の考え方も紹介され、皆興味深く頷いていました。

　続いて、フダさんからマレーシアの世界遺産としてマレーシアの西海岸にあるマラッカ海峡に面した2つの歴史的港町の「マラッカ海峡の歴史的都市群」が紹介され、東西の文化が交流した痕跡が説明されました。また、マレーシアのおもしろいものとしては、ビー玉を使って遊ぶ伝統的な「チョンカック」というゲームやデラックスなお弁当箱「ティフィンボール」が紹介され、皆興味津々でした。

最後に、ヘルミナさんからインドネシアが17,000の島々で構成されており、自然遺産になっている国立公園や山、湖などの自然が豊かなことが紹介されました。文化的豊かさとしては、多様な民族文化があり、伝統芸術であるバリ島の「ケチャダンス」や西ジャワ州の伝統楽器の「アンクルン」、ろうけつ染め布地の「バティック」などについて説明があり、皆興味を持っていました。

　それぞれの発表が終わった後、6名の留学生を囲んで小グループに分かれて7分間ずつ自己紹介や発表に対する質疑応答、「自分が興味のある世界遺産」、「日本のおもしろいもの」についてグループメンバーで英語で語り合いました。7分経った後、次のグループに移動し質疑応答と話し合いをしあい、6回のグループ活動が行われました。大豊学園の生徒からは「マチュピチュ」や「ガラパゴス諸島」の世界遺産や「折り紙」や「新幹線」、「和菓子」などの紹介があり、グループを移動するごとに皆表情が柔らかくなり、自信を持って英語でコミュニケーションが取れる様子がうかがえました。留学生からも日本のおもしろいものとして「だるま」や「よさこい祭り」を挙げる学生がおり、交流会が終わりを迎える頃には皆すっかり打ち解けていました。大豊学園の生徒からは「自分が準備してきたものを紹介でき、コミュニケーションが取れて楽しかった」、「もっと英語で交流したい」、「次の交流を楽しみにしている」という声が聞かれ笑顔が溢れていました。

留学生からも「他の国の話も聞けて楽しかった。グループワークでは私の質問に丁寧に答えてくれた生徒もいて感心した」、「今回久しぶりに英語で交流できて嬉しかった。生徒さんが日本や他の国のことを紹介してくれ勉強になった。紹介されたことで興味がある部分は生徒さんたちと楽しく議論できた」という感想が寄せられました。皆それぞれが異文化を知るきっかけになり交流が深められ、充実した時間を過ごすことができました。