高知大学大学院 総合人間自然科学研究科 修士課程 医科学専攻ヘルスケアイノベーションコース
2021年4月1日(木)新コース開設
高知大学医学部長 菅沼 成文
⾼知⼤学大学院総合人間自然科学研究科修士課程医科学専攻に令和3年度から新たに『ヘルスケアイノベーションコース』が加わることになりました。このコースは、医学と工学を融合した「医工連携」による発見とモノづくりを通じて、ヘルスケアと地域社会に貢献できる人材(人財)の育成を行います。
医学と工学が融合する「医工連携」は、通常は医学・医療のニーズに工学の技術シーズを合わせるケースが多く、学びの場としても「工学目線」から工学部の中に作られることが一般的で、医科学専攻に医工連携のコースが出来るのは初めてです。
医学について学ぶのは勿論のこと、医療の中に工学技術を取り入れるためには、ヘルスケアの問題を工学の言葉に翻訳しなければなりません。ヘルスケアイノベーションコースでは、この通訳が出来る人を育成します。また、新しいものを創出し、イノベーションを起こしていくためには、個人のスキルだけではなく、集団・組織をまとめ、目標に向かってスカラー、ベクトルを動かしていくことができるマネジメント能力も必要となることから、医学・工学だけではなく、組織マネジメントについても学びます。これらの学びを通して、個と個を繋ぎ、様々な力を集積化させ、また組織横断的に活動でき、さらには柔軟な発想・考えを持って実行できる人材を育成していきます。
さらに、当該コースの特徴として、大学の授業、座学だけで終わるのではなく、「実践力」を身に着けてもらうことから、講師陣には、学内外の教員をはじめ、スタートアップ企業、グローバル企業で活躍されているマネージャーや技術者、ならびに政策、規制等に関わる経済産業省や厚生労働省等の行政官の方々など、各分野でトップランナー、リーディングカンパニーとして活躍されている方々に講師として参加いただき、最新の知見や実践的なスキル等について学んでいきます。
最後に、当該コースの修了生が、既存の発想や枠組み、常識に囚われることなく、新たな革新的技術や価値創造に繋がるマインドを身につけ、各々の特徴を活かし、ヘルスケア、医療、災禍など、現代社会そして未来社会が抱える予想できない様々な問題・課題に対して、果敢にチャレンジし、地域、社会に貢献されるイノベーションを起こす!そのような人財の育成・輩出が持続可能となる教育のあり方を今後も追求し実践して参ります。
教育研究部医療学系臨床医学部門
(医療学(連繋医工学分野))
教授 渡橋 和政
部長 伊東 賢二
「医療技術部」は、特に医工連携と関連が深い4つの部署(放射線部、臨床工学部、臨床検査部、リハビリテーション部)で活躍する医療技術職員で構成され、縦割り構造を超え連携するというポリシーのもと、効率的かつ効果的な医療技術の提供、そして院内における内部資源(人材、機材、知識、技術等)を最大有効活用していくための機能組織です。医師でなくコメディカルが部長務め、「協働しないとできないこと」を自然に実行していく、そんな存在形態の組織です。新しい形の医工連携を実施していくため、私たちコメディカルもヘルスケアイノベーションコースの開設に向け、授業科目、講師陣の選考等で参画してきました。今後も当該コースの発展のため、また当該コースを通じて社会、医療に貢献していくため、スタッフ一丸となって尽力していきます。
当該コースは、医療、工学の世界で働く方のみならず、社会で活躍する多くの方々に門戸を開いております。是非、共に新しいマインドを創造し、イノベーションを起こしていきましょう!
【高知大学医学部附属病院 医療技術部】 診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床工学技士など、約130名の国家資格や認定資格を有する医療技術職員で構成される専門技術者の部署です。
(令和3年4月設置)