上部尿路上皮癌の診断を補助する新たな尿検査指標を提案
公開日:
大学院博士課程医学専攻の重久立さん(医学部泌尿器科学講座)らの研究成果が、学術誌CANCER DIAGNOSIS & PROGNOSIS (CDP)に掲載され、令和8年5月1日に電子版が公開されました。
尿路上皮癌のうち約5~10%は、腎盂癌や尿管癌などの上部尿路上皮癌(UTUC)です。UTUCの診断では尿細胞診が広く用いられていますが、検出感度が十分でない場合があります。また、診断にあたっては侵襲を伴う検査や処置が必要となることもあり、より簡便で非侵襲的な診断補助法の確立が課題となっています。
高知大学医学部附属病院では、全自動尿中有形成分分析装置 UF-5000 を導入しています。同装置には、核と細胞質の比率が高い細胞を検出する研究用パラメータ 「Atyp.C 」が搭載されています。Atyp.Cについては、これまで膀胱癌に関する報告はありましたが、UTUCに対する診断的有用性は十分に検討されていませんでした。
本研究では、UTUCに対するAtyp.Cの診断的有用性を検討し、Atyp.Cが従来の尿細胞診と同程度の検出感度を示し得ること、また両者を組み合わせることで検出感度の向上が期待できることを報告しました。
Atyp.Cは、感度は十分ではないものの、追加の侵襲的処置を必要としない非侵襲的な検査指標であり、UTUCの診断を補助する新たな指標として臨床応用が期待されます。
【論文情報】
論文名:Assessment of the Diagnostic Value of the UF-5000 Parameter Atyp.C in Upper Tract Urothelial Carcinoma
著者:Ryu Shigehisa, Satoshi Fukata, Keisuke Sugimoto, Shiori Miyazaki, Shinji Tokuhiro, Anantya Pustimbara, Chiaki Kawada, Sho Shimasaki, Erika Yamashita, Yoshitaka Kurano, Kaya Atagi, Daigo Takemori, Shinkuro Yamamoto, Hiroto Osakabe, Tomoya Nao, Tsutomu Shimamoto, Hideo Fukuhara, Nobutaka Shimizu, Shingo Ashida, Keiji Inoue