大学紹介

令和2年度 学位記授与式告辞

 本日、卒業・修了の日を迎えられた皆さん、誠におめでとうございます。
 保護者の皆さまにも、心からお祝い申し上げます。
 特に、今年度はコロナ禍に振り回された1年でしたから、感慨もひとしおのことと思います。

 

 皆さんは、今日から、就職、進学、などそれぞれの新しい海に向かって船出していかれます。次代の担い手は、皆さんがた、若い世代であることは間違いありません。期せずして、コロナ禍という全世界的な災難に遭遇することによって、私たちには新しいライフスタイルへの切り替えが求められることになりました。中でも、最も当惑したのは、まさに社会に向けて漕ぎ出そうという状況にあった皆さんだと思います。在宅勤務という言葉が頻繁に使われるようになりましたが、仕事選びの条件の一つには、在宅勤務が可能ということが加わったのではないかと思います。

 

 ご承知のように、世の中はすでにAIやIoTの時代になっています。日本は残念ながらこの分野ではまだまだ立ち遅れています。他方、新型コロナウィルスなどの伝染や、南海トラフ大地震の発生予察など、私たちの生き方や生活そのものへの脅威となるキャタストロフ(大災害)にも備えていかないといけません。度重なる地震による大災害やコロナ禍によって分かったことは、被災者への共感や支援が必要であることはもちろんのことですが、それを支える社会の仕組みがまだまだ脆弱であること、身勝手に近い個人主義が医療や介護の従事者に攻撃的に発動されてしまうことなどです。実に残念でなりません。

 

 このような状況で、是非皆さんにお願いしたいことは、この世の中で人間が人間として健全に生き続けるためには、常に温かい心を通わせながら、地球人として共に進化するということを羅針盤にしてほしいということです。これこそが、古くて新しい、これからのNew Normalの基本だと思います。自らの生活圏はもちろんのこと、日本国内、そして世界中に向かって感性のアンテナを張り巡らせてください。

 

 今から5年後、10年後、20年後、30年後の未来の姿を想像することは容易ではないと思いますが、皆さんには着実に足元を固めつつ、未来の地球生態系の姿を描き続けるプレイヤーになってほしいと心から期待しています。

 

 今日が、その新しい一歩を踏み出す日です。
 もう一度言います。ご卒業、ご修了、おめでとう。


令和三年三月二十三日
高知大学 学長 櫻井克年

大学理念

大学の概要

情報公開

広報

キャンパス

危機管理・防災対策

コンプライアンス

ホームページ運営

その他

AED設置場所