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令和5年度 徳島大学・高知大学共催「授業について考えるランチセミナー」が開催されました

2023年10月2日

令和5年度「授業について考えるランチセミナー」<授業時間外学習を促す授業計画の仕方>が開催されました。

授業について考えるランチセミナーは、テーマを変えて、毎月第2・第3木曜日に開催しています。

テーマの詳細やお申込みについては、FD・SDの取り組み | 高知大ポータル (kochi-u.ac.jp)の、「授業について考えるランチセミナー」ページをご覧ください。

-----開催報告-------

開催日時

第1回: 9月14日(木)12:05~12:50

第2回: 9月21日(木)12:05~12:50

 

参加者数

第1回: 9月14日(木)37名

第2回: 9月21日(木)36名

 

コーディネーター・講師・登壇者

コーディネーター: 吉田 博(徳島大学高等教育研究センター)

第1回:  講師:          吉田 博(徳島大学高等教育研究センター)
    登壇者:       秋山 佳花(徳島大学総合科学部2年生)
                            仲村 真樹(徳島大学医学部保健学科3年生)

第2回: 講師:           吉田 博(徳島大学高等教育研究センター)
   登壇者:        後藤 雅美(香川大学教育企画課)
            西本 佳代(香川大学大学教育基盤センター)

 

◆内容

第1回:  まず講師から授業時間外学習の位置づけとして、大学設置基準を引用し、1単位の授業の場合授業時間外を含めて45時間の学修が必要であること、また授業時間外学習の現状として、学生の授業時間外学習の時間は非常に少ないことが全国調査・学内の調査データをもとに紹介された。また授業時間外学習の意義として、学生の学習意欲・知識習得・目標達成度を高めるとともに、授業を構成する観点からも授業内だけでなく授業時間外学習を活用することが必要であることが示された。

 授業時間外学習を増やすためには、学生の自主性に期待したり、多数の課題を課したりするだけでは不十分であり、授業とのつながり等の適切な工夫を行うことが求められる。今回では授業外学習を促すにはどうすればよいか、『授業時間外学修の増加と自学自習を促すための授業ガイドライン』(https://www.tokushima-u.ac.jp/highedu/docs/19935.html)をもとに授業設計の方法論を説明することに加え、登壇者の学生との意見交換も交えて検討を行った。ガイドラインからはシラバス作成の段階から授業時間外学習に関する記述を具体的に(何を・いつ・どうするのか)書くこと、授業の早い段階(3回目くらいまでに)周知すること、成績評価と関連する取り組みを授業外学習に含めるといった工夫が紹介された。また登壇した学生からは、授業時間外学習を促す工夫として「成績評価の工夫」「次回の授業に関する予告・資料の事前提示」「大学での学び方、課題の目的・意図などを説明する」「具体的な指示&レポートの書き方などの支援」といった点が示されたほか、出席者から学生への質疑も行われた。


第2回: 今回はまず前回(9月14日)に引き続き、『授業時間外学修の増加と自学自習を促すための授業ガイドライン』をもとに、授業時間外学習を促すための授業設計の工夫について紹介が行われた。その1つ目として、宿題・課題を出す際に1.課題の目的を明確にする、2.課題への取り組み方を工夫する、3.課題の難易度を工夫する、4.課題へのフィードバックを工夫するという方法について説明された。2つ目は授業形態・授業での工夫として、授業と課題を関連づけることが挙げられた。

 さらに、組織的に授業時間外学習の促進に向けた取り組みを行った例として、香川大学の後藤 雅美 氏と西本 佳代 先生から、香川大学における実践の紹介が行われた。香川大学の取り組みとして、授業時間外学習の時間が少ない(1週間に5時間以内)学生の割合を減らすことを目的として、授業時間外学習への意識づけとして月に1回程度、授業時間外学習の時間や学習した内容に関するアンケートを実施した。それにより、1週間の授業時間外学習の時間が5時間以内の学生が半分に減少したといった結果が示された。一方で課題として、アンケートへの回答率が回を追うごとに減少していくという点についても挙げられた。その後、登壇者を交えた質疑応答も行われた。

 

◆成果と課題

参加者アンケートを行った結果、「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」という設問において、第1回・第2回とも全ての回答者から肯定的な回答 (「とても当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合計) を得ることができた。また、他の設問においても回答者の大半から肯定的な回答が得られた。

 

表 アンケート設問「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」回答結果

 

第1回(9月14日)

第2回(9月21日)

とても当てはまる

8(73%)

  3(33%)

どちらかといえば当てはまる

3(27%)

6(67%)

どちらかといえば当てはまらない

0(0%)

0(0%)

まったく当てはまらない

0(0%)

0(0%)

合計

11(100%)

9(100%)

※その他のアンケート項目の結果はグラフを参照。

自由記述においては、第1回では学生の意見を聞くことができ、参考になった・考えさせられたという記述が多くみられた。また第2回では香川大学の事例報告に関する感想や、授業改善につながる資料を紹介した点を評価した記述がみられた。

今回は実践例や学生の声などを紹介したことで、教員のニーズに合致したセミナーを実施できたことが伺えた。このように今回からは方法論の紹介や実践例のほか、学生の声を収集して届けるという観点も、本セミナーを含めたFD活動の重要な側面の一つであると感じさせられた。今後は様々な方法を活用し、学生の意見や考えを積極的に収集することも考えたい。

 

◆アンケート回答結果

第1回 (n=11)

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第2回 (n=9)

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■セミナーの模様(アーカイブ動画より抜粋)

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