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5月開催 授業について考えるランチセミナー<多様な学習評価1 >報告

2022年5月24日

令和4年度「授業について考えるランチセミナー」<多様な学習評価1 >が開催されました。

授業について考えるランチセミナーは、テーマを変えて、毎月第2・第3木曜日に開催しています。

テーマの詳細やお申込みについては、FD・SDの取り組み | 高知大ポータル (kochi-u.ac.jp)の、「授業について考えるランチセミナー」ページをご覧ください。

6月は9日、16日に開催予定です。

 

ーーー開催報告ーーー

◆開催日時

 第1回: 5月12日(木)12:05~12:50

 第2回::5月19日(木)12:05~12:50

 

◆コーディネーター・講師・登壇者

 コーディネーター: 飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター教育改革推進部門)

 第1回: 講師: 飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター教育改革推進部門)

第2回: 講師: 飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター教育改革推進部門)

 

◆参加者数

 ・第1回: 30名

 ・第2回: 34名

 

◆内容

第1回: 講師から、事前に送付したクイズの解説を交えながら評価の種類にはどのようなものがるか(診断的評価・形成的評価・総括的評価)、およびそれぞれの評価の役割について解説を行った。

同時に、それぞれの評価の仕方について、講師によって論文等の事例をもとに紹介がなされた。さらに評価を行う上で各評価方法に共通する重要なポイントとして、評価の結果得られた内容を学生の指導やフィードバック、あるいは授業内容に活かすことが重要であること、またそのような評価を行うためには、教員がどのような内容を評価したいかを明確化できるようにすることが必要であることが提示された。

 

第2回: 今回はオンラインでの学習評価に焦点を絞り、まずオンラインでの評価特有の課題ならびに注意点として、学生の受験環境が多様であること、また学生と教員とのコミュニケーションがとりづらいことが挙げられた。

そのような中で評価を行う際の工夫として、まず学生に評価の際のルールを明確化し、周知することの重要性が示された。また試験実施の際の公平性を維持するための方策として、ネット検索がしにくいよう解答の表現を変えたり理由や具体例を挙げさせる等問題を工夫することや、Google Form やmanabaといったツールの機能を利用し、解答時間に制限を設けたり出題をランダム化する等の実施形態の工夫について提案がなされた。とくにツールを用いた実施方法については、実際に画面上でツールの使い方について操作しながら説明を行った。

 

◆成果と課題

プログラム終了直後、参加者を対象にアンケートを実施した。その結果、「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」という設問では、下表に示す通り第1回・第2回とも回答者全員から肯定的な回答 (「とても当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合計) を得ることができた。他にも、第1回では全てのアンケートの項目について肯定的な回答を得られた。また自由記述においては第2回のオンラインでの評価について言及するものが多く、manaba等ツールの有効な使い方や出題方法の工夫について知ることができた、有益な情報を得られたといった回答が目立った。またこのことから、コロナ禍3年目においても評価について試行錯誤している教員が多いことがうかがえた。

 

表 アンケート設問「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」回答結果

  第1回 第2回
とても当てはまる 8(73%) 8(57%)
どちらかといえば当てはまる 3(27%) 6(43%)
どちらかといえば当てはまらない 0(0%) 0(0%)
まったく当てはまらない 0(0%) 0(0%)
合計 11(100%) 14(100%)

 

一方で、第2回では紹介予定だったツールにトラブルが発生して最後まで紹介できないことがあった。これが第2回での「7.発表資料や動画・音声に不都合な点はなかった」に「まったく当てはまらない」という回答が一部寄せられた要因であると思われる。これは、講師が実際にリアルタイムでツールを動かし、その模様を配信していた際に生じたものであるが、対策として、あらかじめツールを動かしている様子を動画として撮影し、セミナーではそちらを流すというものが考えられる。こちらは準備に時間がかかるものの、検討の余地があると考えられる。また今後取り上げてほしい内容として、実際の授業でmanabaを有効活用している教員の事例や話を聞きたいという声があった。

今回のセミナーは、10月13日・20日に続編として「多様な学習評価2」が予定されている。今回得られた成果ならびに課題、さらには参加者のニーズを踏まえ、より充実したセミナーを目指したい。

 

 

◆セミナーの様子

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