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令和4年度「授業について考えるランチセミナー」<多様な学習評価2>を開催しました。

2022年12月1日

令和4年度「授業について考えるランチセミナー」<多様な学習評価2>が開催されました。

授業について考えるランチセミナーは、テーマを変えて、毎月第2・第3木曜日に開催しています。

テーマの詳細やお申込みについては、FD・SDの取り組み | 高知大ポータル (kochi-u.ac.jp)の、「授業について考えるランチセミナー」ページをご覧ください。

次回は12月8日、15日に開催予定です。

-----開催報告-------

開催日時

第1回  11月10日(木)12:05~12:50

第2回  11月17日(木)12:05~12:50

 

参加者数

第1回 11月10日  38名(Zoomによるオンライン)

第2回 11月17日  40名(Zoomによるオンライン)

 

コーディネーター・講師

コーディネーター: 飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター)

第1回 司 会:飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター)

             登壇者: 熊坂 元大(徳島大学総合科学部)

第2回 司 会: 飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター)

            登壇者: 坂本 智香(高知大学学び創造センター)

 

◆内容

第1回: 司会より今回のテーマ「多様な学習評価」、および登壇者と実践内容について簡単に紹介がなされた後、登壇者である熊坂先生から、今回の実践内容について説明が行われた。今回取り上げたのは、熊坂先生が担当しているオンラインでのドイツ語の授業における、Google FormとアドインであるQuilgoを用いた小テストの実践である。

主な内容としては、まず、Quilgoの機能であるGoogle Formへの入力タイマー機能や一斉でのテストの実施機能、さらに有料版の機能である、学生に対するカメラ撮影や学生のPCを自動でスクリーンショットすることによる不正監視機能について説明がなされた。さらに、熊坂先生がテストを実施する際の学生へのテストの進め方の説明や、上記の機能に関する了解を得る際の方法についても紹介された。熊坂先生はこれらの不正監視機能について、あくまでも「不正の抑止」として位置づけていること、さらにテストの公正性の重要性を学生に周知するためのものとして考えていることが述べられた。以上の実践を踏まえ、Quilgoのメリット・デメリットや使用感についても熊坂先生から提示された。

続いて、司会者が寄せられたコメントを取りあげる形で質疑応答が行われた。内容としては、Quilgoを用いる際の実際の手続きや、オンラインで語学の授業を実施したことで学生が周囲の反応を気にせず発言・発声できるようになったこと等、テストにとどまらず、熊坂先生の授業実践について幅広い話題が取り上げられた。

 

第2回: 第1回と同じく、司会者から今回のテーマ、および登壇者と実践内容について簡単な紹介が行われた後、登壇者である坂本先生から実践報告が行われた。今回の実践は坂本先生による「十字モデル」をアレンジした「意見レポート」の作成、およびその中での学生の自己評価やフィードバックを行う工夫である。

まず、担当されている授業の内容、および「十字モデル」の概要について坂本先生から説明がなされた。その後、授業内で坂本先生がアレンジして使用している「十字モデル」について示していただき、実際に学生がどのように十字モデルを使用し、議論を作成しているかについても提示された。その後、同じく「十字モデル」に基づいて作成された「自己評価シート」の見本を示しながら、十字モデルで作成した議論について学生による自己評価をどのように実施しているか、また自己評価シートへの先生からのフィードバックの様子についても、学生のサンプルを用いて紹介された。

最後には完成したレポートについて、先生からのフィードバックが入れられたサンプルが提示されたほか、坂本先生自身による、今後の課題を含む授業実践への振り返りがなされた。

 

◆成果と課題

参加者アンケートを行った結果、「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」という設問において、概ね肯定的な回答 (「とても当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合計) を得ることができた。また、その他の項目についても概ね肯定的な評価を得ることができた。

良かった点については、自由記述においても「他の先生の取り組みを見ることができ有意義であった」「ツールの使い方の知識を得ることができた」「試験の際の学生への伝え方の重要性を認識した」「十字モデルについて学ぶことができた」といった内容が寄せられた。他の教員の実践を通じて、実践のためのツールやメソッド、授業全体の設計方法を知ることができたことが高評価につながったと考えられる。

表 アンケート設問「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」回答結果

 

第1回(11月10日)

第2回(11月17日)

とても当てはまる

12(86%)

8(62%)

どちらかといえば当てはまる

2(14%)

4 (31%)

どちらかといえば当てはまらない

0(0%)

0(0%)

まったく当てはまらない

0(0%)

1(8%)

合計

14(100%)

13(100%)

※その他のアンケート項目の結果はグラフを参照。

しかしながら、アンケートのいくつかの項目については「どちらかといえば当てはまらない」「まったく当てはまらない」という回答も寄せられた。これは、特定の教員の実践を紹介する一方で、その実践が一部の回答者が求める内容とは必ずしも一致しなかったことが考えられる。

 

今回は5月に実施した<多様な学習評価1>の続編として、より具体的な実践を取りあげることに焦点を当てた。その結果、とくに第1回では多くのコメントが寄せられる等、参加者は具体的な事例の紹介・共有を本セミナーに期待していることが改めて示された。今後は授業・評価等に関する基本的な知識の重要性も踏まえつつ、多様な教員のニーズに応え、さまざまな実践例を紹介・共有できるよう、事例の収集や開発、および意欲的な取り組みを行う教員との関係づくりを進めていきたい。

 

◆アンケート回答結果

第1回 (n=14)

graph1.jpg

第2回 (n=13)

graph2.jpg

 

◆セミナーの様子(アーカイブ動画より抜粋)

 

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