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令和4年度「授業について考えるランチセミナー」<オンライン授業の工夫あれこれ​>が開催されました。

2022年12月30日

令和4年度「授業について考えるランチセミナー」<オンライン授業の工夫あれこれ​>が開催されました。

授業について考えるランチセミナーは、テーマを変えて、毎月第2・第3木曜日に開催しています。

テーマの詳細やお申込みについては、FD・SDの取り組み | 高知大ポータル (kochi-u.ac.jp)の、「授業について考えるランチセミナー」ページをご覧ください。

次回は1月12日、19日に開催予定です。

-----開催報告-------

開催日時

第1回: 12月8日(木)12:05~12:50

第2回: 12月15日(木)12:05~12:50

 

参加者数

第1回 12月8日  38名(Zoomによるオンライン)

第2回 12月15日  40名(Zoomによるオンライン)

 

コーディネーター・講師

コーディネーター:髙畑 貴志(高知大学学び創造センター)

第1回・第2回  講師:髙畑 貴志(高知大学学び創造センター)

 

◆内容

第1回:   今回は、オンデマンド型授業に焦点を置いて、利用可能なソフトや工夫について紹介がなされた。最初に講師から自己紹介と、文部科学省からの告示を引用しつつ、オンライン授業に必要とされる「双方向性の担保」について説明がなされた。

次いで、オンデマンド型授業における双方向性の担保という観点から課題とそのフィードバックの機会の重要性を挙げ、その例としてLMSを通じた方法を、高知大学で使用されているMoodleを用いて実演された。

また、オンデマンド型授業で動画を作成する際に利用できる無料のツールである、OBS(https://obsproject.com/ja/)が紹介された。OBSを利用する利点として、PowerPointによる声の録音に比べてインターネット上の様々なコンテンツを扱えることや、Zoom、Teamsで講義している模様を録画する方法に比べて画質が良いという点が挙げられた。

さらに、動画作成の際に使用できる、テキスト読み上げソフトについても紹介がなされた。テキスト読み上げソフトを用いることで、録音の際に周囲の雑音が混じる心配がないこと、読み上げの際のミスがなく、何度も撮り直しする必要がないこと等のメリットがあることが説明された。講師からは、無償の読み上げソフトの例としてVOICEVOX(https://voicevox.hiroshiba.jp)、有償ではあるが、無償ソフトよりもより人間に近い音声で読み上げるソフトとしてAmazon Polly (https://aws.amazon.com/jp/polly/) が、さらに教員自身の音声を事前に収録することで、AIで音声を合成して教員自身の声でテキストを読み上げる(日本語のみ)ことのできるサービスとしてCoefont(https://corporate.coefont.cloud/coefonts)が紹介された。

 

第2回:  今回は前回と変わり、同期型のオンライン授業、あるいはハイフレックス授業(対面の授業の様子をZoom等で配信し、オンラインでも視聴できる授業)の方法について、主に3つのツールや実践の工夫の紹介がなされた。

まず、1つ目に取り上げられたのが、オンラインで使用できるホワイトボードmiro(https://miro.com/ja/)である。miroでは、割り当てられたホワイトボード上に付せんを貼ったり、線や図形、絵文字の描画やpdf・動画等のコンテンツを貼りつけることができるといった機能がある。講師からは、これを利用してKJ法やアイスブレイクを含めたグループワークを実施したり、授業コンテンツを掲示するといった利用例が提示された。

続いて2つ目として、ハイフレックス授業を実施するための方法や設備について紹介された。今回のランチセミナーでは、三脚上に固定したiPhoneやiPad等の端末を、カメラオン、マイクオフの状態でZoomに接続し、そこから教員の発言や板書を発信する工夫が紹介された。また、教室内の学生の発言をオンラインでの参加者にも聞き取れるようにするために、教員のPCのマイクをオンにし、USB接続式のマイクを別途用意し接続するといった方法も示された。

最後に、電子黒板と専用のアプリを利用することで、教員が板書した内容を学生がPCから閲覧したり、逆にPCを介して学生が電子黒板に書き込みが行えることが紹介された。

 

◆成果と課題

参加者アンケートを行った結果、「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」という設問において、概ね肯定的な回答 (「とても当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合計) を得ることができた。また、その他の項目についても概ね肯定的な評価を得ることができた。

自由記述においても、良かった点として「新しいツールを知ることができた」「ハイフレックス授業をどのように実施するのかを体感できた」といった内容が寄せられた。概ね、オンライン授業で利用可能な、あるいはオンライン授業で効果を発揮する機材やソフトウェアについて知ることができた点が参加者にとって有益であったと言うことができる。

表 アンケート設問「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」回答結果

 

第1回(12月8日)

第2回(12月15日)

とても当てはまる

7(54%)

5(56%)

どちらかといえば当てはまる

5(38%)

4 (44%)

どちらかといえば当てはまらない

1(8%)

0(0%)

まったく当てはまらない

0(0%)

0(0%)

合計

13(100%)

9(100%)

※その他のアンケート項目の結果はグラフを参照。

一方で、自由記述からはオンライン授業の内容について、どう行うかという点も解説が欲しいといった意見や、実際に授業を行っている風景をみたいといった意見も寄せられた。

ランチセミナーはオンラインで気軽に参加できることを利点として実施されている。しかしながら、このようなソフトや機材の紹介については、例えばハイフレックス形式を採用し、対面会場で実際にどのような機材をどのように設置・接続しているかを間近で見たり、実際にハイフレックス型のセミナーや模擬授業を体験してもらう等、オンラインにとどまらない開催の仕方も有効であると考えられる。今回の意見を機に、ウィズコロナ、ポストコロナを見据え、開催形式も新しい方法を模索していきたい。

 

◆アンケート回答結果

第1回 (n=13)

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第2回 (n=9)

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◆セミナーの模様(アーカイブ動画より抜粋)​

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