膀胱CISの診断において、Atyp.Cが尿細胞診を補完し得る診断補助指標である可能性を提案

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大学院博士課程医学専攻の重久立さん(医学部泌尿器科学講座)らの研究成果が、学術誌CANCER DIAGNOSIS & PROGNOSIS (CDP)に掲載され、2026年7月1日に電子版が公開されました。

膀胱癌の診療では、膀胱鏡検査に加えて、尿中の異型細胞を調べる尿細胞診が、非侵襲的な検査として一般的に用いられています。なかでも膀胱上皮内癌(carcinoma in situ: CIS)は、膀胱の表面に沿って広がる平坦な病変であり、通常の膀胱鏡検査では視認が難しい場合があるため、尿細胞診は重要な診断補助検査の一つです。一方で、尿細胞診には検出感度や判定の再現性に課題があるほか、結果が得られるまでに時間を要し、即時に判定できない場合があります。

高知大学医学部附属病院では、全自動尿中有形成分分析装置 UF-5000 を導入しています。同装置に搭載されている研究用パラメータ「Atyp.C」は、核と細胞質の比率が高く、細胞内構造が複雑な細胞を検出する指標です。Atyp.Cは通常の検尿のタイミングで簡便に評価できるため、追加の検体採取や特別な処理を必要としない点が特徴です。Atyp.Cについては、これまで膀胱癌全体を対象とした解析は行われてきましたが、CISに焦点を当てた検討は十分ではありませんでした。

本研究では、2022年1月から2025年7月までに高知大学医学部附属病院で病理学的にCISと診断された患者を対象に、Atyp.Cと尿細胞診の診断感度を比較しました。その結果、尿細胞診の感度は77.0%、Atyp.Cの感度は73.8%であり、Atyp.Cは尿細胞診と同程度の感度を示しました。また、尿細胞診とAtyp.Cを組み合わせた場合の感度は85.2%と数値上は高くなりましたが、尿細胞診単独と比較して統計学的に有意な差は認められませんでした。

本研究成果は、膀胱CISの診断において、Atyp.Cが尿細胞診を補完し得る診断補助指標である可能性を示すものです。Atyp.Cは通常の検尿のタイミングで簡便に評価できるため、日常診療に取り入れやすい非侵襲的な指標として、今後の臨床応用が期待されます。

【論文情報】

論文名:Comparison of Automated Urinalysis Parameter Atyp.C and Urine Cytology for Detecting Bladder Carcinoma In Situ

著者:Ryu Shigehisa, Satoshi Fukata, Keisuke Sugimoto, Shiori Miyazaki, Shinji Tokuhiro, Anantya Pustimbara, Chiaki Kawada, Rie Yoshimura, Keisuke Mizutani, Daigo Takemori, Yuhei Shiba, Shinkuro Yamamoto, Hiroto Osakabe, Tomoya Nao, Tsutomu Shimamoto, Hideo Fukuhara, Nobutaka Shimizu, Shingo Ashida, Keiji Inoue

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